何度か登場している,鹿児島県随一の名門進学校「鶴丸高等学校」の


素晴らしいエピソードをもうひとつ紹介する。



 定年後は私立に事務長として迎えられ,おそらくはまだ生きているから名前は


伏せるけれど



 仮にD事務長としておこう。



 私が,高校同士の「相互自主検査」という業務で鶴丸を訪れた時のこと,先方


の顔見知りが何気なく,校内文集的な物を見せてくれた。



 そこに,D事務長の文章があり,一読すると「てにをは」を始め何とも脈絡の


無いひどさがまず目に留まった。



 おまけに中身はと言えば,校内の花壇に植えた花が,校長先生の御指導よろ


しきを得て」立派に咲いただの,校長の素晴らしい人格的影響力が生徒に


与える良い影響は計り知れないだのという,気の利いた小学生でも書かない


ような「ヨイショ」のオンパレードなのである。



 思わず私は「おい これは自分で書いたのか?それとも代筆か?」と真顔で


顔見知りに聞いたのだが



 彼は「バカバカしい」といった仕草と表情をしてみせながら「本人に決まってる」


と小さく吐き捨てた。



 この事務長殿の口癖は「われわれのレベルになると」や「われわれのクラスの


判断では」だったということで



 日本語もろくに書けないのがヨイショだけは忘れないとは笑止千万なことだっ


た。幼稚園並の文章しか書けずに「われわれのクラス」もないものだ。



 揉み手とお追従笑いしか能がないのが総てと思われては,懸命に頑張る


教職員は立つ瀬がないというものだろう。

 

 

 極めつけはその「セコさ」で,事務でPTA会計を担当していた男性がゲンナリ


した様子で他日聞かせてくれたところによれば


 

 慰労会や忘年会などの宴会で必ずこの男は「俺が持つから次へ行こう!」と


特に女性達の前でカッコをつける。


 

 そのくせ翌日になると決まって,PTA会計担当氏を呼びつけては領収書を


渡したのだそうだ。


 

 保護者の支払った金は,こうして「渉外費」などという名目で,小心でつまら


ない小役人に盗まれてしまう。


 

 「われわれ」のグループでは平気でこういったことが繰り返されるらしく,ここで


やっているなら全国津々浦々で同じようなことをやっているだろう。



 一時期バレて騒ぎになった,賄賂に左右される大分県教育界の不祥事は氷山


の一角で,わが鹿児島県も似たような人事異動をやっている。



 これについてはまた改めて書き留めることにする。