あまり知られていないが、パラダイス沖永良部という歌がある。


キーも高くなく歌いやすいが、歌詞の一節に「世界の偉人 西郷隆盛」と


あるとおり、西郷さんが流されて座敷牢に入っていた島だ。



特攻隊を偲んだ「ああ 犬田布岬」という徳之島の歌と共に


離島暮らしで心に刻まれた歌となった。



その沖永良部を研修で訪ねた折のこと、タクシーに乗っていて聞かされた


話だが



かつて奄美を島津が征服した際、沖永良部は一人のシャーマンの影響下に


あり、彼女が海岸線に炊いたご飯を並べておけば敵は退散するからと告げた


そうで



島人はそのとおりにしたのだが、上陸してみてご飯を食した島津勢は元気


百倍になって、火の如く侵略を始め、シャーマンは自殺してしまったと。



なんだか「平和憲法」のお札さえあれば戦争を免れることができるという


嘘八百を宣伝している連中のようだと思いながら聞いたことを覚えている。



琉球もまた、非武装でいたために僅か三千の島津にやりたい放題にやられ


たわけで、後年こういった地域から搾り取った富が倒幕に役立ったとはいえ


歴史の教訓とすべき貴重な事例だと思う。



武器を持った相手に「話し合い」など通じるわけもなく「言うとおりにしろ!」


で終わりなのは昔も今も変わらない。