いつも職員朝礼がある会議室が騒がしいので覗いてみると
学校謹慎中の男女が楽しそうに笑いさざめいていた。
昼前になって、一人の男子が事務所にやってきて、弁当を配達するように
電話してくれと言うので、張り倒したいのを我慢して自分でやれと答えると
意外なことを言われたような表情を浮かべて立ち去った。
あくる日、その子に廊下で会ったので、おまえ謹慎は何回目だ?と聞くと
「もう15回目かな」と誇らしげに答えたのには驚愕した。
私も謹慎にはなったけど、3度目には退学というのは皆知っていた。
私立ゆえのことだったとはうかつにも知らなかったわけで、公立はなんと
甘やかされてパラダイスなんだろうと思った。
甘やかすということが当人にとってどんなに不幸かは、いずれ当人が思い知らさ
れることになるわけで、これと似た光景は、その後様々な場で見聞きすることになっ
た。