職員室から事務室まで校舎のサッシガラスが叩き割られていた。


 日光にキラキラと輝くガラスの破片が、入学式の朝を美しく!?彩っていた。



 職員間の推測では、退学にさせられた生徒達が腹いせにやったのだろうと


いうことだったが



 体育館の壁にスプレーでデカデカと「校長バカ」と書いてあったのには思わず


笑ってしまった。



 儀式に使う場所なので笑ってばかりもいられないから、壁と同系色のスプレー


で消しはしたが



 少し時間が経ってから離れた場所から見ると、字をなぞるように消したためか


ハッキリと「校長バカ」と読み取れたのでまた笑ってしまった。



  この事件への地元出身校長の処置が、実際として「不問に付す」甘い


ものだったため



  味を占めた生徒達によって次の年もまた、キラキラと輝く水晶の朝が


繰り返されることになった。



  毅然とした対応ができずに事態を糊塗すればどうなるかは、国家も


南海の公立高校も同じことだということだろう。