野球部が、ボールを握らない体力作りに励んでいると
いつしか年が変わり、卒業式が迫ってきた。
例によって例の如く、職員会議で配布された式次第に書かれた「国歌斉唱」
と、設営図に表示された「国旗」をめぐって紛糾し(と言っても、分会全員と私が
正反対の意見を叫んでいるわけだが)
校長が「音楽の先生は国歌をきちんと指導してください」と怒号をかき分ける
ようにして告げた。
音楽担当の女性は、これまた組合で教えられたとおりに、あるいはお友達の
NHKが何十年も繰り返しているように、民主主義にふさわしくない天皇礼賛の
歌だの、戦争を引き起こした日本を思い出させるからお祝いの式にはふさわ
しくないだのと繰り返していたが、校長は冷静に歌唱指導をするように求め
続けた。
並みいる売国犬達もいいかげん吼え飽きて、いつしか校長と女性教諭の
応酬だけが職員室に響くようになっていたが
突然、この女性教諭が立ち上がると「私は絶対に嫌です!」と叫んで
゜「ワアアアア~」と思い切り喚きながら職員室を駆け出していってしまった。
つまりは職務放棄なのだが、校長の目配せによって後をのろのろと追った
日教組出身の教頭は、しばらくするとすごすごと帰ってきて、彼女が車に
乗って帰ってしまったと告げた。
時間休暇の届けも何もあったものではないが、こういった行為が罰される
ことは決してなかったのは言うまでもない。
日本の一員として、公務員として、公教育に従事しているのだろうに、
そういった自覚のまるでない占領政策の申し子達は、全国津々浦々で
祖国を貶めるエゴイストぶりを発揮するのに余念がなかった。