天降りの時はるか 新聞連載や文芸誌へ発表済の作品を載せ終えたので 余生を使ってここしばらく これまで胸に深く刻まれた人間風景を記すことにする 「回想は逆光の中にあり」と言って果てた国士がいたけれど 私は私で おそらくは、生涯脱ぐことがない不可視の軍服と 遠い夏の日に陵辱されたままの祖国への愛を綴っていこう