誉れの夏48


 俺達の知らない夏の日に、日本の大地に加えられた圧倒的な血まみれの力で書き換えられた屈辱の歴史と、


勝者が仕掛けた執拗で巧妙な洗脳と、これに生きるために迎合していった国民が、建国以来の理想と歩みに対する自信と誇りを完膚無きまでに打ちのめしてしまった。

 

 それは戦いの終わりではなく始まりであり、不可視の戦場での持久戦はもう半世紀以上続いている。

 

 未来から届く召集令状は若い魂の深奥に届くだろうか?


 静かに燃え続ける歴史の炎は反撃の機会を捉えられるだろうか?