滝の畔


あまり体と心のことを心配するあまり、亭主気取りの言葉を連ねたメールを送ってしまったところ、怒った彼女がしばらくメールを返さなくなったりもした。


ほとぼりがさめるのを待ってデートに誘っても、こないだの亭主気取りを私はまだ許したわけじゃないと毒を吐いて断られることも続いた。


そんな時に、俺は勤め先の関係で一人の未亡人と知りあった。俺よりも年上で、かなりの資産家に嫁いでいたのだが、


夫に先立たれた後、不動産管理だけではつまらないと化粧品と健康食品の店を商店街に開いていたのだった。


悪い人柄ではなかったが、相手の都合にかまわず電話やメールをする癖があって、俺が和喜から返事が返ってこない寂しさからついメールしたりすると、延々と世間話が続いてしまい、はては電話までかかってきて、気が付くと一時間は経っていたということが増えていた。