滝の畔


 メールを頻繁に交わすようになってから、定石どおりにまず生活パターンを聞き、家族構成を聞き出し、


ちょっとHめの話題を織り交ぜて反応を見定めてから、携帯メールをしていい時間帯を押さえた。


 交わす言葉に親しさと密度が増していくテンポによって、だいたいはその後の展開は読めるわけで、


これは相手が独身でも人妻でも年齢に関係なく共通していた。


 この女は、どちらかというと伝法で姉御肌のような感じがした。


 いろんな言い訳を考えながらおずおずと行動する人間ではどうもないようで、


あまりベタベタする女や神経質で臆病過ぎるのは苦手だったから、そういった点でも俺は期待していたのだった。