『オレンジビーチ-スリーデイズメイビー』




「かごめ かごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だ~れ」


耳元で懐かしいリフレインが心地良く鳴っている。


 大場は遠い日に、故郷の神社の境内にいるような気分で聴いていた。


 どこかで聞き覚えのある女の子の声、誰だったかは思い出せないが確かに自分にとって身近な存在だった、か細くてせつなげで繊細な歌声。


 群馬から満州に向かって原所属部隊を出発する前、最後に手を合わせた仏壇で微笑んでいた幼い弟の笑顔がありありと浮かんできて、もっと遊んでやればよかったとの思いや、からかいすぎて泣かしてしまった時の事が胸をよぎったりした。


 青山少尉殿はな 実はアーメンなんだぜ と、声をひそめるように戦友の一人が囁いた、パラオ本島での外出時のひとときも、弟の幼い面影と交錯するようになぜか思い出された。


 アーメンか、あの少尉殿は敵の奴らと同じ宗教だったなあ。


 キリスト教の神って、いったいどっちに味方するんだろうか?


 それじゃドイツもアメリカもイタリアもイギリスも同じことか。

 

 よっぽど殺し合いが好きな神様なのかな?


 少尉殿はどんなところに惹かれたんだろう?