小保方さんの記者会見を見て。雑感 | 大学受験予備校EASTの塾長ブログ

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小保方さんの記者会見について、
ネット上、テレビやマスコミなどでいろいろ言われています。
高校生や中学生で
将来、研究職 に就きたいと望んでいる人も多いでしょう。
参考になればと、考察してみます。


  こういった、マスコミを賑わす話題の時には、
個人的な感情や好き嫌いを一旦置いといて、
それぞれの立場を考えると、いろいろなことが見えることが多いです。

そもそもこの話題の中心の
STAP細胞の存在が真か偽かということは、科学者たちの研究に任せるしかありません。
私たちが騒いでも再現できるものではありません。

むしろ、頭脳労働をする人たちは、落ち着いて集中できる環境が必要ですから、本当に研究の成果を知りたければ、周りは我慢して静観しているべきです。

素人だけど自分も知りたい、と思ってもそこは我慢し、研究者の思考をむやみに妨げるものではありません。
その研究者のその思考は、もしかしたらつまらないものかもしれませんが、もしかしたら、世界の価値観を変えるものかもしれません。

ですから、記者会見の中で、証拠となるものをなにも出さなかった、との意見もありますが、これだけこの研究について騒ぎになっている中、共同研究者や上司よりも先に、素人であるマスコミや世間に研究内容を見せるのは科学者の手順としてはおかしいことになります。

それを、なぜ先に、記者会見で説明しなければならないとマスコミは考えているのでしょう。
単に、知りたい知りたい教えて教えて、とだだをこねているだけです。
そして、知りたいことを教えてくれなかった意地悪な人、というイメージの放送やコメント、ナレーションをつけているのです。


ですから、これから大人になる今の若い人たちには、物事の本質は何か、本当の問題はどこにあるのか、という視点を常に持っていてほしいのです。



次に、理研の上司たちについて見てみます。
小保方さんはユニットリーダーですが、完全独立していたわけではなさそうです。
研究室の上司は誰でしょう?同僚は誰でしょう?
論文は投稿する前に大抵誰かに見てもらい、チェックが入りますが、それは大抵、研究者より上級の者です。
共同研究者も理研の上司もだれも発表前にこの論文を見ていないのでしょうか?

恐らくこの方たちの立場は、こうです。
自分たちにも少しはチェックの不備はあったかもしれないけど、小保方さんのように容赦なく批判を受けては大変だ。ましてや、ノーベル賞に汚点をつけてはならない。

物事には、いろいろな側面があり、より多くの方向から見た方が真の姿が見えてくるものです。
小保方さんがひとりの責任だと発表した理研に対して、マスコミから、理研の責任は?という取材をして掘り下げれば、さらにいろいろ分かってくる部分があるはずです。


最後に小保方さん本人の行動について、考えてみます。
小保方さんは、1月末にSTAP細胞を発表してから、執拗なマスコミの追い回しに耐え、外出も研究もままならない状況でした。
その後、研究の疑問が持ち上がったとき、
公の場での発言を上司からとめられ、
その上さらに、その上司は自分を守ってくれるどころか、
自分一人に責任を被せようとしている。

というのが、小保方さんの立場からの見え方ではないかと想像します。
そういった流れの中の記者会見ですから、
弁護士に自分をまもってもらわなければ、心身ともに病んでしまうどころではないのは、当然です。

これを批判する人があれば、過去に不正を起こした政治家や会社の記者会見と比べてみてください。
自分についての謝罪を2時間半もしたというだけで、人間的な芯の強さを感じます。
この事を、だれも評価しないのは残念です。


ただし、全体から受ける印象は、
小保方さんにはチームプレーとか、周りと密に打ち合わせをしながらとか、報連相などの仕事のやり方、同僚や上司とのつながりを作っていなかったのではないか、ということです。
未熟さや無知や勉強不足はここから来るものと考えられます。

少し前から言われていることですが、
これだけ複雑で高度に社会も科学技術も進むと、どんなに優秀な人でも、一人では太刀打ちできない時代です。

STAP細胞をめぐり、小保方さんの立場が苦しいのは、「一人」だからです。

今の大学生、高校生、中学生たちは、仲間を作り、つながることが上手です。
是非、その世代特性の上に知恵や知識を身につけて、社会の最先端を引っ張る人になってほしい。

小保方さんのSTAP細胞が存在するかしないかは今後の研究に委ねるとして、
最先端の研究者を目指す方たちは勇気を持って進んでほしい。
仲間を持てば、物事の真実は見誤りにくくなるし、マスコミや世間も怖くはありません。

がんばれ、未来の研究者たち!