◾️お母さんから逃げてもいいんだよ

河合さん

急外(救急外来)にお母さんが

運ばれたって

お母さん

河合さんが連れて行ってくれないから

(救急車)呼ぶしかなかったって。

特に何も異常がないけれど、納得されなくてね。。。

河合さんを呼んでって・・・。

どんだけやってもわかってくれない。。。。

追いかけてくる。。。

追いつめられるような感覚。

急遽依頼のあった個人カウンセリングに

対応しながら

母親が倒れる直前までの、エピソードを

思い出していました。

こんばんは、ももいです。

急な不安や怒り、憤りって、ある程度時間が経つと

収まってしまうのです。

一見、率の悪いポイントカードのように

貯まっていないと見くびっていると

結構なものになっている。

なにより、軽く見積もって、最終的に自滅したももいだから。。。

なので、リピーター様には

可能な限り、急なカウンセリングにも対応しています。

母親がこの世を去って

2年が過ぎても、思い出す

今でも

その時の動揺と恥かしさと、行き場のない怒りに

ぎゅーっと胸が締め付けられる。

母親を案じるよりも

わたしの職場という

唯一、自分が切り開いた聖域のような場所に

土足で踏み入れられた感覚。

まさに医療従事者が手こずる

問題患者

問題行動の典型パターンだった、母親でした。

入院した時は、全身垢だらけで

ホームレス扱いだったりもした、母親。

ゴミ屋敷寸前の家に住み

訳のわからぬオトコと生活し

人情沙汰も起こしていた。

つい、

家族は何やってるの

と、医療者と家族の立場が交差して

まるで他人事のように離れたい感覚。

逃げたかった。

捨てたかった。

この家の跡取り娘

この親のキーパーソンと

言われたくなかった。

何より・・・悲しかった。

常に身綺麗にして

白髪ひとつなく

上質な衣類を選び

身につけていた。

イミテーションを嫌い

アクセサリーを付ける事を忘れず、

服も靴もオーダーだった母親。

浪費家と言われ続けたけれど

そんな母親が、どこかで自慢でもあり

憧れでもあった。

醜く、落ちぶれた姿を見たくなかった。

母親が自分では

全く動けなくなった時

わたしは、ようやく安堵できた。

もう・・・自由にさせるもんか！

子どもとして

医療従事者として

ひととして

不謹慎かも知れないが

この開放感は喜びだった。

これでわたしの大切な

聖域は守られる。

それ程に、親が重くて仕方がなかった。

親の期待に応えたかったがための

わたしが創った母親の亡霊との戦いだということも

どこかでわかっていた。

家を継ぐのではなく

わたしの代で終わらせるのが、わたしの務め。

そう思い変えることで、じぶんの無能さを打ち消したかった。

けれど、もうそこで耐える必要もない。

そして、苦しむこともしなくていい。

じぶんに都合よく、どのようにも変えていい。

逃げる。

捨てる。

終わらせる。

親から、そして全てから

逃げていいんだよ。

そう思うようにして13年

本当の意味で、母親は

私の世界、聖域から存在しなくなった。

長かった。

本当に長かった。

そしてわかったことは・・・

親から逃げる。

可能な限り逃げる。

逃げたから、耐えられたことが本当にたくさんある。

逃げたから、13年持った！と思っている。

なぜなら、逃げることから

負けるということ

戦わないということも

今では母親の置き土産。

生きざまは、死にざま

きっと正解はないのかもしれない。

逃げても、逃げなくても変わらなかったのかもしれない。

けれど、この経験から得たものは

ひとつの手段として選択肢の中に

入れておいて欲しいと思っています。

親から、そして全てから

逃げていいんだよ。

　『ご感想』　

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