いつも拙いブログを読んでくださり

ありがとうございます。



今は胆管がんで亡くなったパパの

闘病生活を振り返りながら

その時々にふと思い出した事、
残された家族の日常などを綴っています。
以前書いた内容と被る事もあるかと
思いますがお許しください。


今日は節分ですね。
節分は「一年間健康に過ごせるように」
と言う願いを込めて「悪いもの」を
追い出す行事だそうです。


あの頃…


パパが胆管がんの手術を終えて
退院して来たのは一月の後半でした。
まだ体力も戻っていないし
声にハリもないし仕事も休み休みで、
今年の節分は豆まきどうするのかなと
思っていました。


でもそれは考えすぎでした。
パパはいつもと変わらない声で
「鬼はーそと」「福はーうち」と
窓を開けて大きな声で豆まきを始めました。


それは恥ずかしいほどの大きな声でした。
きっとご近所さんにも聞こえていたと
思います。


縁起担ぎじゃないですがパパはきっと
「癌に負けたくない」「きっと元気になる」
そんな強い思いがあったのだと思います。


けどその願いも虚しくその年の年末には
再び腫瘍マーカーが上がり始めて
しまいました。


年が明けてまた節分がきました。
その頃のパパは腫瘍マーカーの上昇原因を
探す為の検査を始める時でした。
不安の中それでもいつもと同じように
大きな声で豆まきをしました。
どうかなんでもありませんように…
そう願って。


でもパパの癌を追い払う事は
出来ませんでした。
結局それが最後の豆まきと
なってしまいました。


パパが亡くなってからは私が代わりに
豆まきをしています。
さすがに大きな声を出す事は
恥ずかしいのでしていません。


そしてパパの年の数だけの豆を
お仏壇にお供えしています。
年の数だけ豆を食べると体が丈夫になって
病気にもならないそうです。


あの頃苦しんだ分、これからの長い人生は
健康でいてもらいたい…
そんな思いを込めて。


豆の数は今年は66粒。
パパ食べきれるのかしら。


「もう食べれん!もう無理!」
そんな声が聞こえてきそうです。