闇に葬られた旧ソ連軍による虐殺事件
--復讐心?スターリンの病的性格
2007年 ポーランド映画
アンジェイ・ワイダ監督作品
自らの父親もまた同事件の犠牲者である映画監督アンジェイ・ワイダが、80歳のときに取り組んだ作品である。
原作は、脚本家でありルポルタージュ小説家でもあるアンジェイ・ムラルチクが執筆した『死後 カティン』『カティンの森』だ。
ポーランドでは、2007年9月17日に首都ワルシャワでプレミア上映され、同年同月21日に劇場公開された。
翌2008年(平成20年)、第58回ベルリン国際映画祭でコンペティション外上映された。
2010年にポーランドを訪問したプーチン大統領は、虐殺の旧ソ連軍の関与は認めたものの「ロシア国民に罪を被せるのは間違い」、と謝罪しなかった。プーチンは本当に頭が良い人だ。
当時、ポーランドはナチスドイツとスターリン率いるソ連の戦場になり、ドイツとソ連で領土を分割しあうなどポーランド領内で好き放題やっていた。虐殺事件発生は1940年4月であった。
スターリンの命令によりソ連は収容所に収監していたポーランド将校1万人以上を殺戮(銃殺)する。
その背景には第2次世界大戦勃発前にソ連はポーランドと戦火を交え、しかもポーランドに破れていた経験があった。
ポーランド将校の大量殺害にはスターリンの復讐心が根底にあったと推測される。
ソ連の思惑通り、戦争には勝利を収める。しかし、ソ連は、『カティンの森』大量虐殺をナチスドイツの仕業と捏造したのだ。
ポーランド国内においても、わざわざ嘘の映画を作り、公園など街頭で、ナチスが犯した罪だと、大スピーカーで流している。
この事実を認め、ソ連が謝罪し、自由に表現できるようになったのが1990年なのだ。なんと事件発生から50年後である。
「水と安全はタダ」と云われた戦後のわが国。なんでも水に流してしまう国柄だから、韓国人がなぜ怒っているのか理解しない平和ボケの日本。なんとオメデタイ人々なのだろう。
ロシアによるウクライナ侵略、昔から変わらない。
こんな日には、ゆっくり戦争犯罪について考えてみよう。