資産100億円を溶かした天才の憂鬱 | ブロッコリーな日々

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アイドルマート下花店店長の落書き

彼が、築いた資産は、そのサウンドが音楽シーンを牽引したころゆうに”100億円”を超えていた。

一般会社員の年収は多い人でも800万円。平均では400万円といったところ。

最近では全体の40%を超える人が非正規雇用だという。派遣登録で働く人がほとんどを占める。

そして、彼らの平均年収は250万円なのだ。

 

比べてみるのも乱暴な話だが、小室哲哉は、土地に別荘、株券、クルーザーなどを所有し、年に12億円も収める高額納税者であった。

 

しかし、彼の曲が売れなくなる日がやってきたのだ。さらに、泣きっ面に蜂とは、よく言ったもので、ここで巻き返しとばかりに、100万ドルを出資した「海外事業」に失敗する。

彼は、なんと70億円もの損失を計上するに至るのだ。

 

彼は10年で、その資産100億円を溶かしてしまうのだ。100円ではない、100億円をスってしまったのだ。

カードが止められ、ETCのバーさえ上がらなくなってしまう。

 

いくら苦しんで楽曲しても、もうブームが去ったのだ。

彼がとった行動は「著作権譲渡詐欺」である。

 

彼は、知人から5億円を詐取した。2006年、芸能界を震撼させた大事件だった。

バブル楽曲経済を自分で膨らまし、自分で叩き割ったのだ。

楽曲については確かに神童であったが、生き方についてはわずかな振動にも耐えられはしなかった。女性に対してもそうだったのだろう。

 

私は、小室哲哉を見るにつけ、高額賞金を引き当てた宝くじ当選者の話を思い出す。

1億円あるいはそれ以上の当選者は、たいていが不幸になっているという。

 

小室哲哉の生家が、もし大金持ちの資産家であったなら、資産100億円を溶かしてしまうことなどはなかっただろう。