「闇金ウシジマくん」は、漫画原作で、映画化もされている。
なかでも印象的なのが「サラリーマンくん」編だ。
小堀豊(こぼり・ゆたか)は、『サラリーマンくん』編に登場する人物だ。
彼は、医療機器メーカーの営業職で、33歳、妻と2人の子供がいる。
温厚で人に分け隔てなく接する誠実な性格をしており、顧客からの評判も良かったが、東京に転勤して陰湿な上司・志村の下についてからは様々な嫌がらせを受けるなどパワーハラスメントを繰り返され、後輩からも馬鹿にされるようになってしまう。
激務の中で次第に家族関係にも亀裂が生じはじめ、仕事の不調と相まって先の見えぬ日々に強いストレスを溜め込んでいた。
大声で奇声をあげてストレスを発散する癖がある。
知らぬ間に元同僚・板橋の詐欺に巻き込まれてしまい、心身ともに限界に達し、自律神経失調症で休職を余儀なくされる。
一時はこのまま辞職、離婚して、すべてを清算する事も考えるが、この間に家族との絆を取り戻し、営業先でも非常に好かれ、信頼されていた事が判明する。そして職場復帰を果たす。
「闇金ウシジマくん」には、凄惨なエピソードが次々に展開していく。今の世の中では、一度借金という弱みを握られるととことんしゃぶり尽くされるのだ。また、『サラリーマンくん』編に登場する僚友の板橋は、小堀名義で借金を重ねてしまうのだ。ストレスだらけで今のビジネス社会に生きる誰もが、少し足を踏み外したら落ちてしまいそうな地獄がある。
誰もが、板橋になる可能性があれば小堀になってしまう可能性があるのだ。
金融の知識を身に着ける時である。