驚くべき実話『キーパー ある兵士の奇跡』の衝撃 | ブロッコリーな日々

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『キーパー ある兵士の奇跡』は、ナチス兵士の主人公、バート・トラウトマンが終戦後にサッカー選手としてイギリスとドイツを結ぶ平和の架け橋となり、イギリスの国民的ヒーローとして敬愛されたという驚くべき実話から生まれた物語だ。

公開日:2020年10月23日
監督:マルクス・H・ローゼンミュラー
出演:デヴィッド・クロス、フレイア・メーバー、ジョン・ヘンショウ、デイヴ・ジョーンズ
英題:The Keeper
配給:松竹

 

「驚愕の実話」

1945年、ナチスの兵士だったトラウトマンはイギリスの捕虜となる。

 

収容所でサッカーをしていた時、地元チームの監督の目に留まり、ゴールキーパーとしてスカウトされ、名門サッカークラブ「マンチェスター・シティFC」に入団する。

 

ユダヤ人が多く住む街で、想像を絶する誹謗中傷を浴びながらも、トラウトマンはゴールを守り抜いた。

やがて彼の活躍によって、世界で最も歴史ある大会でチームを優勝へ導き、トラウトマンは国民的英雄となる。

 

だが、彼は誰にも打ち明けられない〈秘密の過去〉を抱えていた。そしてその秘密が、思わぬ運命を引き寄せてしまう。

そう、彼は、元・ナチス兵士だった。

 

主人公のバート・トラウトマンは、『愛を読むひと』で高い評価を得たデヴィッド・クロス。

同作では、ケイト・ウィンスレット演じる年上の女性に恋する青年役を演じていた彼が、元ナチス兵という過去を持つゴールキーパーを熱演した。

 

サッカーをプレーするシーンでは、ゴール前のジャンプでボールを力強く弾き、掴み、まるで経験者であるかのような高い身体能力を発揮した。「若い頃はサッカー選手か俳優になりたいと思っていたんだ。サッカーはやったことはあるけど、ゴールキーパーは一度もやったことがないから、ゼロから学んだよ。でも、練習通りやっているうちに、自然と動きが身についていったんだ」と、もとより身体能力は高い。

 

YouTubeでトラウトマンの映像を探して彼のプレーを学んだといい、「1956年のFAカップ決勝戦で彼が首の骨を骨折した時の映像などを見て、彼の全てを真似て再現しようとしたよ」。痛みを表現しながらも、強い精神力でゴールを死守する劇中の姿は見所の一つとなっている。

 

最後に、本作から学んだことについて主演のデヴィッド・クロスは、「スポーツは国をつなぐ、素晴らしい力を持っていると思う。チーム・スピリットが、政治的な違いを超えるものだと教えてくれ、連帯感をもたらしてくれる。トラウトマンは英国において“平和の大使”のような存在となったんだ。スポーツはとてもパワフルなものだと思うよ」と熱く語っている。