アマゾンの巨額の利益をご存じだろうか。
日本人には、アングロサクソンの視点・発想が欠落している。それがそのまま日本の欠点になっている。
アマゾンの売上高は、すでに1,779億ドル(日本円で20兆円)を超えている。これにほぼ肩を並べているのは、サウジアラビアの1,716億ドル、デンマークの1,735億ドル、トルコの1,739億ドルである。恐るべき数字だ。
アマゾンが、まだネットの本屋さんに過ぎなかったころには、日本人の誰一人としてEコマースの巨人に育つだろうとは想像もしていなかった。なにしろ創業当時、途方もない赤字を産んでいたのだから。
アングロサクソンと日本人の違うところでもある。悔しいが、素直に兜を脱ごう。
アマゾンの経済圏は、自己増殖しているように見える。それは、消費者の願望を的確にとらえていることだ。理由は、簡単な市場調査から導き出したものではない。購入データ、販売データの両方が即座に集積され、分析される。
それらのデータの活用からアマゾンは商品ラインアップとサービスを拡充している。
その代表例が、マーチャント向け融資である。データの活用から生まれたビジネスだ。
融資を受けたマーチャントでは仕入れを増やし、マーケティングの強化によって売り上げを増やせるのである。
情報をいち早く掴んだものが、市場を制するのである。
そして、アマゾンの野望はここにとどまらない。アマゾン経済圏だけで生活のすべてが営めるようにすることである。
そこからアマゾン独自のバーチャル通貨発行まで視野に入れているという。
さらにアマゾンには「アレクサ」という音声データの蓄積もある。
同社の深謀には舌を巻く。この音声サービス技術を他社に公開しているのだ。
アングロサクソンの凄さには脱帽する以外にはない。
日本人からは決して「アマゾン」も中国の「アリババ」も生まれてこない。
やれやれ、どこへ行く日本。