のぼう様と領民から慕われた城代---頼りない成田長親の意外な活躍 | ブロッコリーな日々

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アイドルマート下花店店長の落書き

のぼう様と領民から慕われた城代

---頼りない成田長親の意外な活躍

2012年製作/日本
配給:東宝、アスミック・エース

監督:犬童一心、樋口真嗣

主演:野村萬斎

 

“のぼう様(でくのぼうの意)”と領民から慕われる城代・成田長親の活躍を描いた。

天下統一を目指す豊臣秀吉方2万人の大軍を指揮した石田三成の水攻めに、のぼう様はわずか500人の兵で対抗する。

秀吉の北条氏討伐で唯一落ちなかった忍城(おしじょう)の攻城戦を描く。

この忍城の攻防戦自体がかなり面白い。十倍を超える敵を相手に一月以上も籠城を重ね、ついに落ちなかった。

 

武州の忍城は埼玉県の行田市に位置する成田長親の居城、関東七名城のひとつでもある。
築城したのは成田家十五代の親泰。この物語のおよそ百年前のことだ。

洪水の多い一帯にできた湖と、その中の島々を要塞化した城郭であり、本丸を始め二の丸、三の丸、諏訪曲輪の主要部分が独立した島でこれらを橋で連結している。また、本丸を始め二の丸、三の丸は密林のごとく木々が乱立して、鬱蒼とした城だった。

主人公の成田長親は「のぼう様」と呼ばれていた。「でくのぼう」の略で、これに申訳程度に「様」がついていた。
領民からは慕われていたようだ。

 

武芸はもちろんのこと、何をやらせてもダメ。農作業は大好きで、何とかして手伝いたいと思って、村に出てくる。

何をやらせてもダメな長親が手伝うと、かえって農作業の効率が悪くなってしまったという。

長親が農作業を手伝うと、やれやれと溜め息が農民から漏れるのだ。

ヒロインの甲斐姫は、この長親に惚れていた。甲斐姫は東国一の美女という評判で、しかも武芸に優れていた。

颯爽として描かれている石田三成だが、この忍城攻めに手間取り、武将としての権威は地に堕ちてしまう。

 

そして軍使としてやってきた長束正家の高飛車な態度に成田長親の怒りが爆発するのだ。

石田三成は、無益な殺し合いを避けて、水攻めに決した。。


石田三成の水攻めにも耐え抜いた史実を元にした物語だ。

3月11日の東日本大震災を受けた結果、『水攻め』の表現が「この時節柄上映するにはふさわしくないのではないか」という観点から

協議を重ね、最終的に公開延期を決断した。

 

東日本大震災の津波を思い出すから、という理由で公開延期になったという。

仕方あるまい。それで映画が失敗したわけではない。

 

主役を演じた野村萬斎の熱演は評価できると思う。

見逃した人には激しくおススメ。