繰り広げられる惨劇、神の街という名のスラム街
---「シティ・オブ・ゴッド」流血の憂鬱
2002年製作/ブラジル
原題:City of God
配給:アスミック・エース
監督:フェルナンド・メイレレス
暴力や麻薬が日常化するリオデジャネイロ郊外の貧民街を舞台にした作品。
カンヌや東京などの国際映画祭で絶賛されている。
この地で弱肉強食の現実を生きる少年たちの群像劇を克明に描いている。
この作品は、ブラジルのスラム街を舞台に、ストリートチルドレンの日常を描いたものである。
その日常とは、殺人、強盗、暴力、麻薬に溢れている。
現在では異なるが、これこそ当時の「ブラジルのスラム街」の現実だ。
ブラジルは日本とは比較にならないほど犯罪率の高い国だが、その温床と言われているのが「ファベーラ」と呼ばれるスラム街だ。
あまりの恐ろしさに、地元の人でも近づかないと云われるほどである。
ちなみに、ブラジルワールドカップ前に、警察が掃討作戦を実施した際には、戦車やヘリコプターまで動員されている。
それだけで、どのような場所なのか、おおよその察しがつく。
1960年代後半、ブラジル・リオデジャネイロの貧民街“シティ・オブ・ゴッド”では銃による強盗や殺人が絶え間なく続いていた。
リオデジャネイロ郊外にあるスラム街“シティ・オブ・ゴッド(神の街)”の流血の歴史を暴く快作だ。
この作品は、感情移入が容易い。視聴者は、映画の中に容易に入り込めるのだ。
「殺されないでほしい、逃げないでほしい、夢を叶えて欲しい」と、手に汗を握りながら、演じる人たちと入れ替われるのだ。
日本には、幸運にも、このような貧民街というものはない。
だから、どこへ旅行にいっても東京と同じように安全だと思っている。
平和ボケもいい加減にして欲しい。時折、若い日本女性が誘拐されたり、殺されたりしてニュースになる。
安全と水はタダではないのだ。せめて、この実話を観て学習して欲しいと思う。
見逃した人には激しくおススメ。。