地下鉄サリン実行犯の「豊田亨」は死刑に処された。
彼の量刑では、死刑は当然だと思う。
どうして「麻原彰晃」のようなペテン師に騙され、魂まで抜かれてしまったのだろうか。
豊田亨は、東京大学理学部物理学科卒だ。専攻は素粒子理論。そして、博士課程進学直後に出家した。
彼は、自分の意志で出家し、自分の意志でサリンを飛散させた。だが、本当にそうだったのだろうか。
裁判ではその前提で結審し、彼は死刑に処されたのであった。
オウムへの"出家"の実態は、ほとんど拉致に近いものであったという。
友人の東大助教授「伊東乾」氏は、豊田亨の修士論文を検証してある結論を見出すのだ。
彼の論文は、中途半端な整理の仕方になっている。それは、「整理の最終段階で何かの理由があって
彼は、論文に手が付けられなかったのではないか」という。
ほとんどの実行犯はそうだったのだが、
裁判では、マインドコントロールがその中心議題とされていた。
だが、オウムの儀式は、麻原彰晃がひとりで考え出したものだったのだろうか。
それとも世界には参考にできるような洗脳があったのだろうか。
麻原たちは、幻覚剤であるLSDなどの禁止薬物も利用していた。そして被験者には、幻覚を作為的に創り出していた。幻覚剤や覚せい剤を冷たいレモネードに混ぜて飲まされる。その後うす暗い部屋に閉じ込められる。
--もう脱出できないのだ。
なんら実態が明らかにされないまま、実行犯たちや麻原彰晃は死刑に処された。
江川紹子女史が述べているように、「一度にすべての死刑執行が行われたのはどうなのかな」とも思う。
東大助教授「伊東乾」氏は、「1945年も1995年も、そして今も何一つ本当には裁かれないし、
日本は何一つ変わらない--」と述べている。