2001年5月、東京・代々木で「野猿」の解散コンサートが行われた。
"撤収"と名前が付けられたコンサートだが、覚えているだろうか。
メンバーの中心は当時大人気だった「とんねるず」だ。
ファンの中には、福岡からやって来ていた二人組の女子高生がいた。
彼女たちは、"撤収"という遺書を残し、翌日飛び降り自殺を遂げたのである。
そもそも、「野猿」は、とんねるずの番組スタッフが裏方を集めてスタートした遊び半分のユニットだった。
何の間違いだったのか、彼らが出したCDが大ヒットしたのだ。
このユニットが女子高生の自殺を生み出そうとは、スタッフは考えもしなかった。
自殺した生徒のノートには、『死ぬ理由もないけど、生きる理由もない--』記されていた。
そして、最後のページには、「撤収」と大書されていた。
いったい、彼女たちは「野猿」のコンサートからどんなメッセージを受け取ってしまったのだろうか。