ご記憶だろうか。
写真週刊誌「FLASH」が7週連続で記事にした前代未聞の事件がある。
それが、「日本テレビ視聴率買収問題」であった。
2003年10月24日午後4時、日本テレビで釈明記者会見が行われた。
高視聴率を維持するために社員の「安藤正臣プロデューサー」が単独で起こしたとされた。
だが、疑惑は晴れなかった。
日本テレビによる組織的な犯行が疑われた。
記者会見は、社員の単独行為、勇み足と結論され幕を閉じた。
当時は、視聴率至上主義が幅を利かせていた。
そして、視聴率を発表するのは、調査会社「ビデオリサーチ」である。
この視聴率によって、番組の評価が決まり、CMの決定が行われていた。
つまり工業製品のような売上に、この視聴率は直結したのだ。
ライバル局の後塵を拝すわけにはいかない。
発覚後、安藤氏は日本テレビを懲戒免職になった。
買収工作を思いついたのは安藤氏の上司だったのだろうか。
彼は、日テレ解雇後に、披露宴で使用するVTRの制作会社を立ち上げた。
もし、一人で責任を負ったとすれば、TVマンの悲哀を感じずにいられない。
事件以降、日テレの凋落ぶりは目に余るものがあった。
視聴率ではフジテレビに追い抜かれてしまう。
ドル箱の巨人ナイター中継は下落の一途をたどる。
--やがて全国ネットの「プロ野球中継」は地上波から消えるのだ。
昨今、野球といえば、大リーグ。
国内では、パリーグで日ハム、セ・リーグでは広島カープである。
時代は廻る、おごれるもの久しからず。