前回の記事「番長とパン屋さん」の続きですが。
待ち合わせ場所の新橋駅の改札口を出ると、ひと目で番長の姿はわかりました。あんまり変わっていなかった。そりゃ20年の歳月が流れているので、厳密には変わっているんだけれど。
でも雰囲気はというと、昔に比べてすごく穏やかになっていました。なんだか優しいし親切だし、ほんとパン屋さんになったんだなという感じでした。
もうこれって俺の一方的なイメージでしかないんだけれど、パン屋さんて心穏やかにただパンを愛しているようなイメージなんですよね。とりあえず優しそうな。そしてちょっと小太り。ジャムおじさんのせいで。
へー、あの番長がね。と思いながら積もる話を肴に酒を飲みました。
俺「なんだか昔とあんまり変わってないね。一目ですぐに番長だってわかったよ。」
番「そうか。」
俺「20年も経てばすごく太ってたりだとかやつれてたりだとか、あってもおかしくないからな。」
番「ああ、でも今は痩せたけれど、パン屋で働く前はやばかったよ。」
俺「なにが?」
番「美味いパン屋で働きたくて、東京中のパン屋を食べ歩いてたからさ。今68kgだけど、100kgあった。」
あ、やっぱりジャムおじさんにはなってたんだね。
俺「じゃあ今働いてるパン屋さんは相当美味しいのかい?」
番「個人の好みだけれど、俺が回った中では一番のパンを出す店だよ」
俺「それは一度食べてみたいな。」
番「おう。だから今日持ってきたよ。食べてみてくれ。」
すげえ気が利くなオイ。
んでそのパンですが、ものすげえ美味かったです。パンの品格を感じるといか、すごく強い味があるわけではないのに食べても食べても飽きないような。優しい素材のうまみというか。これは是非後日自分でも買いに行こうと思いました。番長に会いたいとかじゃなくて単純にパンに会いたい。
すっかり穏やかになった番長でしたが、帰り際の挨拶はじゃあなと言ってグータッチでした。そういうところは昔の番長ぽい。高校生の頃の自分に戻れたような気分になれた夜でした。