ずっと前にも少し書いたんだけど、
僕は今、築45年、3階建ての一軒家に住んでいる。

のべ10人近くがこの家で生活を送ってきていて、
45年、10人分の思い出とともにそれ相応の荷物が残されている。

大家さんの許可を得ているので、週末になるとえっちらおっちら
古くなって今ではもう使わない荷物を捨てるための選別作業にとりかかる。
僕が生まれるより前の新聞紙が出て来るのは、ザラで。
今ではもう30歳を超えている元住人の七・五・三の時の衣装が出てきたりする。
粗大ゴミ回収の日には、回収場所にタンスやら戸板やらが並ぶ。

そういう作業を続けていると、逆説的にだけれど、
「人生にモノはほとんどいらない」んじゃないかと思えてくる。
この家にある荷物は、今までの住人が家を出る時に
「いらない」と判断して置いていった物がほとんどだ。
元の持ち主に「いらない」と思われ、家に残されたモノたち。
その量があまりに多く、僕にそのようなことを思わせる。

幸いにして、僕らが生きる21世紀は(22世紀まで生きるのは厳しそうだ)
デジタル化が加速度的に進んでいる。
音楽はCD棚に収まりきれない分も含めて、圧縮音源でHDDの中に収まってしまった。
写真だって、昔に撮った分もスキャンして、HDDの中に収められる。
本だって、日本で電子書籍がいまだ普及しなくても、裁断機で背表紙をカットすれば
ドキュメントスキャナーでPDF化することが可能だ。
僕が引越しの際に頭を悩ませてきた音楽、本に関しては
「やろうと思えば」
1TBのHDD1つを運ぶだけで済むようになってしまう。

僕の理想は、サーカス団のメンバーのように
トランクケース2個に自分の荷物を収めることだ。
高校生のころから、そんなことを夢想していた。
大好きなマンガ「からくりサーカス」の影響も否定出来ない。

よく
「無人島に1つだけ持っていけるとしたら何を持っていく」
なんて、質問が交わされる。
酒を飲み始めて40~50分経っていたら
そこそこ盛り上がるかもしれない。
あるいは、使い古されてしまっていて
特に盛り上がりもせず、
「iPhone」の答えとともに、「おんなじの、おかわり」と
終わってしまうかもしれない。

僕はもう少し現実に近い質問を設定したい。
「自分の荷物をトランクケース2個分だけにまとめるなら
何を詰める?」

意外とだけれど、
あなたの人生に必要なモノがそこに全てあるかもしれないし、
そこからこぼれ落ちたものは「なくてもいいもの」かもしれない。

そんな風に思いながら、部屋を見渡すと
トランクケースに入らなさそうなモノがいっぱい目に飛び込んでくる(笑)

そんなことを思った先週末でした。
それでは。
お休みなさい。