高校一年のころ、一枚のCDに出会った。
気になっていたシングルが入っているアルバムだったので
迷わず購入した。
今、思い返せばプレーヤーは英語リスニング用。
スピーカーは一つで、きっと左チャンネルの音しか出ていなかったと思う。
それでも
僕はその音に夢中になり。
その歌にひきつけられ。
その詩に従った。
CDプレーヤーのふたはおよそ三ヶ月、開かれることなく
前のめりのビートと反逆の歌を鳴らし続けた。
その三ヶ月間で、僕は自分にとってのアイドルMr.Childrenを聞かなくなり
どうやったらラバーソウルが履けるようになるかだけが頭を占めるようになっていた。
きっと明日は前髪で片目を隠した猫背の男子が九段下付近をうろうろし、
いつもより勝負に出たメイクで地下鉄に乗る大人の女の人がいると思う。
諸々の事情を踏まえて僕はそのお祝いに参加するのを見送った。
参加しようと思っても出来なかったかもしれないが
その結果が分かる前に、僕はレースを降りた。
10年前に鳴っていた音が、今新たな解釈の元に鳴らされたし、鳴らされる。
CDを買ったあの日から今日まで僕の耳の中には
ずっとあのギターストロークの残響が鳴り響いている。
確かにドアは開いた。