「二人とも、一日一日を大切にね。二人なら大丈夫だよ。

それじゃあ!」

おばあちゃんは歩き始めた。

…もしかしたらお知らせは来ないかもしれない。

お知らせが来ても、行かなくてよくなるかもしれない。

そんなキセキを、少しは信じていた。

でも、キセキなんてなかった。

「おばあちゃん!おばあちゃん!

やだやだ!かおるもなんで何も言わないの!!

おばあちゃん!!もう会えないの?

いやだよ。いやだよ」

ちこはとにかくひたすら叫んでいた。

でも、どうにもならない。

おばあちゃんは玄関まで歩くともう一度振り返った。

「かおる…ちこちゃん…。

二人だけで大変だと思うけど、頑張ってね」

おばあちゃんは笑顔で言った。

でもその笑顔はぎこちなかった。

きっと今のおばあちゃんの精一杯の笑顔だろうな…。

「いやー!おばあちゃん!!待って!待ってよ!!」

ちこの声が絶え間なく聞こえる。

私はおばあちゃんをじっと見た。

それに気づくとおばあちゃんはもう一度微笑んだ。

「かおる。ちこちゃんをよろしくね」

そうつぶやいた。

私はうなずいてから

「いってらっしゃい」

と言った。

私の気持ちに気づかれないように…。

私はちこのほうを見ると、ちこもこっちを見た。

でもすぐにおばあちゃんのほうを見て…

「ありがとーーーーーーう」

と、部屋中にこだまするぐらい大きな声で言った。