しばらくして、お姉さんが口を開いた。

「あなたたち、二人暮らしなの?」

「はい。前まではお母さんもおばあちゃんもいたんですけど…」

「そっか…。二人じゃ大変だよね…。

じゃあさ、あたしも一緒に住んでいいかな?」

突然のことに私とちこは少し黙った。

でも、私は

「いいですよ」

と言った。

「ありがとう。二人とも大変だと思うから

あたしに手伝えることがあったら何でも言ってね」

少し不安もあったけど、私とちこはこのお姉さんと住むことにした。



お姉さんが向こうに行ってる間に私はちこに

「大丈夫だった?」

と聞いた。

「…うん」

ちこはどことなく不安そうな顔をしていた。

ちこ…。

「ごめんね…勝手に言っちゃって…」

「ううん…急だったから…」

ちこはニコッと笑った。

でも目は笑っていなかった。



「あっ!もうご飯できてるんだね。

あたしはなくてもいいから二人とも食べて」

「お姉さんもどうぞ。私たちの少しずつあげます」

「ごめんね。気をつかわせちゃって…」

「いえいえ。どうぞ」

私は新しいお皿を持ってきて私とちこのを少しずつあげた。

「じゃあ食べよっか。いただきます」

「いただきます」

「あ、かおる。これおいしいね」

「ありがとう」

ちこは、私が料理を作るといつも言ってくれた。

「えっ!かおるって言うの?」

お姉さんがこっちを見た。

あっ…そっか。名前まだだったんだ。

「河田かおるです」

「ちこです。和田ちこです」

ちこも自分で名前を言った。