彼女と東京で会う約束をして以来、私はネットカフェにちょくちょく通うようになっていた。もはや毎日の日課のように。せっかく遠方から来てくれて、私のようなオヤジと一緒に東京を歩いてくれるのだから、少しでも楽しく過ごしてもらいたいと思い、日夜情報収集に勤しんだ。しかしながらどうしていいのかよくわからない・・・なんせ妻以外の女性とこういう形で街を歩くことなど、当然ながら結婚以来初めてだったからだ。
いや、ただ歩くだけではない。東京行き確定前の彼女からのメールには、「東京で私とデートしてくれるですか??」という言葉が何度かあった。そう。それは正に「デート」なのだ。二人はお付き合いしてるわけじゃないけど、二人の男女が二人きりで街を並んで歩き、食事をする光景・・・まさしくそれは「デート」以外なにものでもないなのである。いったいこの関係はなんなんだろう・・・と考えることもこの頃はしばしばあったが、とにかく彼女に会いたい、楽しく過ごせればいいと思い、それ以上深く考えることは避けていた。7つも年下の女の子だ。そういった遊び方もその世代では普通なのかもしれない。ホテルも別々の部屋だ。彼女がよく言ってくれている「好きなんです」という言葉も深い意味として考えないようにしていた。私が深く考えたりすると、結局勘違いで恥ずかしい想いを自分自身でしてしまうかもしれないと恐れたからだ。ましてや、私は既婚者で彼女には彼がいるのだ。
当然、このことは妻には秘密だ。言えるわけもない。妻に対しては多少の罪悪感は感じていたけれども、彼女と会うことをやめようなどとは一切考えなかった。遠く離れた東京。ばれることもないだろう。ただ、机の上に立てかけてある愛娘の愛くるしい写真の顔と目が合うと、ついつい目を逸らしてしまった。
二人の事前の打ち合わせでは、取りあえず秋葉原のメイド喫茶に行くことと、珍しいスイーツを食べることは決定していた。後のことは、彼女が東京散策本も購入していたことだし、気のみ気のまま、思いつくところに行こう、そういう段取りに落ち着いた。結局彼女の希望しか取り入れることはなかった。相変わらず私はそういうことに無頓着だ。つまらない男だ・・・。でも、彼女は私のそういったところも気に入ってくれた。なんのこっちゃ。
彼女の上京前日。年甲斐もなく胸がどきどきした。どきどきしずぎて眠れないのではないかと思った。当日は午後12時頃に秋葉原駅の改札口で待ち合わせ。彼女は東京駅から山手線で秋葉原駅へ来ることになるが、なんせ東京のことはほとんどわからない彼女だ。乗り換え口さえ満足にわからないだろう。私が当日現地到着が遅れると、彼女を路頭に迷わせることになるので遅刻することは許されなかった。そのため、私は彼女に念のためモーニングコールをお願いした。彼女は快く承諾してくれて、地元の駅を出る頃に連絡してくれることになった。そんなやりとりだけでも私はどこか浮かれた気分になっていた。
上京当日。予定通り彼女からのモーニングコールで私は目を覚ました。
「これから出発しますので絶対遅刻しないでくださいね!!」
元気で明るくかわいい声だった。瞬時に目を覚ますことができた。
私自身、よく眠れたのかどうかわからなかったけども、一応、寝ていたみたいだ。彼女の声を聞いたせいか、目覚めた瞬間から胸がどきどきしていた。私は早々に身支度を済ませ、予定より早く部屋を出ることにした。
外は曇りだ。季節は梅雨時期真っ只中。天気予報では東京地方は午後から雨。私は一本の傘と、一泊分の着替えを詰め込んだ真新しい「THE NORTH FACE」のリュックを肩にかけた。
部屋を出る直前、私はあることを忘れていたことに気付いた。もう一度部屋に戻って再び部屋を出た。
机の上に飾っていたかわいらしい子どもの写真を裏返し、左手薬指にはめていた指輪をはずして―。
GWを間近に控え、私はそわそわしていた。地元へ帰省できるんだ・・・。ほんの束の間だけど、この息苦しく孤独な生活から開放されるんだと思うと、出張先の仕事もあまり手につかなくなっていた。
そしてもう一つ、手につかない理由があった。彼女の東京行きの件が現実になろうとしていた。半ば冗談で話をしていたことが、具体的な話になってきたのだ。メールでの会話で、「東京に行きたい」(私に会いたい??と、いうよりはメイド喫茶に行ってみたいらしい・・・)、「東京においで」・・・。もともと行きたくないのでもないし、来てほしくないわけでもない。要するに、冗談にしても二人の意見は一致していたのだ。必然的にそうなったのだ。
問題は彼女の金銭面だった。地元から東京までの往復交通費だけでも馬鹿にならない。アルバイトの収入では財布に大打撃だろう。そこで私は提案した。「片道以外の費用は全て負担します!」と。もともと勤務先からは出張に必要な費用が多めに支給されていたので、私の財布は幾分温かかった。そしてそれ以上に、そうしてまでも強く彼女に会いたいという気持ちがあった。彼女は「ホントですか!?じゃあその方向で検討します!」ということになった。予定日は5月下旬。それまでに双方で当日の予定を練ることになった。
当初の話では日帰りでのプランを考えていたが、東京に着いてもすぐに帰るようなプランでは面白味に欠けるということで一泊するということになった。私の出張先も東京からだいぶ離れた場所になるし、せっかく遠くから来てもらうのに、彼女に何かあってはいけないとの判断で、私自身も一泊することになった。もともと、せっかく仕事とはいえ関東に来ていたので、泊りがけで東京散策したいという気持ちもかねてから持っていたので、いい機会だとも思っていた。
宿泊先は私がインターネットで検索して、比較的安価で、清潔そうな場所を探してを決めることになった。当然シングルの部屋を探していたけれでも、東京の宿泊費は驚くほど高価だった。冗談半分で彼女に「ダブルかセミダブルでどう(笑)?」と聞いてみたが、当然答えは「シングルで!」だった。愚問であった。
最終的に秋葉原駅周辺のホテルに予約することになった。
この秋葉原のホテル・・・。後に「儚く、哀しく、苦しい出来事」を経験する全ての始まりの舞台になることなど、この時は思ってもみなかった。
GW。久々地元に戻ってきた。やはりここが一番居心地がいい。娘にも会える。一応、妻にも会える。
今年のGWは幸い天候にも恵まれていた。私は一年の内、この季節が一番好きだ。澄み切った空気と、どこか周りのいろいろな光景に初々しさを感じることができる季節。もう一ヶ月前に地元を離れた時のような肌寒さは感じられない。関東に居た先月はほとんど雨続きだったので余計に嬉しかった。
ただ一つ、気がかりなことがあった。前日から彼女の様子がおかしかった。メールにもいつもの明るさが感じられない。心配して電話をかけたが、会話も思うようには進まなかった。よく、職場でのストレスについて聞いていたが、原因はそれではないようだ。彼氏と喧嘩したわけでもないらしい。結局、自分でもよくわからないとのことだった。
帰省した際、私は一人で実家に寄る用事があったので、そのときにでも会って話を聞こうか?と持ちかけたが、結局断られた。ただ、東京で会うまで我慢します、と。その夜、実家において彼女に電話をかけた。幾分、私の声を聞いて元気付けられたようで安心した。「あなたの声には不思議なパワーがありますね!かなり元気になりました!」と彼女は言ってくれた。いつも出張先で助けられている分のお返しだよ、と彼女に話した。結局、時々こういうふうに気分が落ちるときというのがあるとのことだった。かなり繊細な子であることがよくわかった。というより、私が能天気なだけなのかもしれないけども。ただ、彼女に必要とされている、という漠然とした気持ちを感じることができ、私なりに嬉しかった。
あっという間にGWは終わり、再び私は息の詰まるような場所に戻ることになった。いろいろなことに、後ろ髪を引かれる想いで。勿論、帰りの列車内では彼女とのメールの交換をしながら―。
そしてもう一つ、手につかない理由があった。彼女の東京行きの件が現実になろうとしていた。半ば冗談で話をしていたことが、具体的な話になってきたのだ。メールでの会話で、「東京に行きたい」(私に会いたい??と、いうよりはメイド喫茶に行ってみたいらしい・・・)、「東京においで」・・・。もともと行きたくないのでもないし、来てほしくないわけでもない。要するに、冗談にしても二人の意見は一致していたのだ。必然的にそうなったのだ。
問題は彼女の金銭面だった。地元から東京までの往復交通費だけでも馬鹿にならない。アルバイトの収入では財布に大打撃だろう。そこで私は提案した。「片道以外の費用は全て負担します!」と。もともと勤務先からは出張に必要な費用が多めに支給されていたので、私の財布は幾分温かかった。そしてそれ以上に、そうしてまでも強く彼女に会いたいという気持ちがあった。彼女は「ホントですか!?じゃあその方向で検討します!」ということになった。予定日は5月下旬。それまでに双方で当日の予定を練ることになった。
当初の話では日帰りでのプランを考えていたが、東京に着いてもすぐに帰るようなプランでは面白味に欠けるということで一泊するということになった。私の出張先も東京からだいぶ離れた場所になるし、せっかく遠くから来てもらうのに、彼女に何かあってはいけないとの判断で、私自身も一泊することになった。もともと、せっかく仕事とはいえ関東に来ていたので、泊りがけで東京散策したいという気持ちもかねてから持っていたので、いい機会だとも思っていた。
宿泊先は私がインターネットで検索して、比較的安価で、清潔そうな場所を探してを決めることになった。当然シングルの部屋を探していたけれでも、東京の宿泊費は驚くほど高価だった。冗談半分で彼女に「ダブルかセミダブルでどう(笑)?」と聞いてみたが、当然答えは「シングルで!」だった。愚問であった。
最終的に秋葉原駅周辺のホテルに予約することになった。
この秋葉原のホテル・・・。後に「儚く、哀しく、苦しい出来事」を経験する全ての始まりの舞台になることなど、この時は思ってもみなかった。
GW。久々地元に戻ってきた。やはりここが一番居心地がいい。娘にも会える。一応、妻にも会える。
今年のGWは幸い天候にも恵まれていた。私は一年の内、この季節が一番好きだ。澄み切った空気と、どこか周りのいろいろな光景に初々しさを感じることができる季節。もう一ヶ月前に地元を離れた時のような肌寒さは感じられない。関東に居た先月はほとんど雨続きだったので余計に嬉しかった。
ただ一つ、気がかりなことがあった。前日から彼女の様子がおかしかった。メールにもいつもの明るさが感じられない。心配して電話をかけたが、会話も思うようには進まなかった。よく、職場でのストレスについて聞いていたが、原因はそれではないようだ。彼氏と喧嘩したわけでもないらしい。結局、自分でもよくわからないとのことだった。
帰省した際、私は一人で実家に寄る用事があったので、そのときにでも会って話を聞こうか?と持ちかけたが、結局断られた。ただ、東京で会うまで我慢します、と。その夜、実家において彼女に電話をかけた。幾分、私の声を聞いて元気付けられたようで安心した。「あなたの声には不思議なパワーがありますね!かなり元気になりました!」と彼女は言ってくれた。いつも出張先で助けられている分のお返しだよ、と彼女に話した。結局、時々こういうふうに気分が落ちるときというのがあるとのことだった。かなり繊細な子であることがよくわかった。というより、私が能天気なだけなのかもしれないけども。ただ、彼女に必要とされている、という漠然とした気持ちを感じることができ、私なりに嬉しかった。
あっという間にGWは終わり、再び私は息の詰まるような場所に戻ることになった。いろいろなことに、後ろ髪を引かれる想いで。勿論、帰りの列車内では彼女とのメールの交換をしながら―。
関東に入ってから3週間ほど経過していた。毎日彼女とのメールのやりとりは日課になっていた。それは夕方から就寝まで続いた。時には深夜に及ぶこともあり、度々寝不足に陥ることもあった。メールの着信音「いきものがかり」の「さくら」のメロディが流れるのが楽しみになっていた。日によっては電話で話すこともあった。電話代がかなり気になるほど・・・。電話代の請求書は勿論、自分の家に届くので嫁も目を通すだろう。電話代のことについて聞かれれば、独り身で寂しいのでいろんな人に電話してると言うつもりにしていた。また、その頃の彼女との会話では、冗談半分で関東に来る、ご飯をつくりに行ってあげる、などと言う話題もあった。特に私は毎日一人で寂しくコーヒーを入れて飲んでいるのを不敏に想い、コーヒーも入れに行ってあげる、という会話もあった。そりゃあ来てほしい!おいで!と私も話していた。
その日もまた、彼女から一通のメールが届いた。
「東京に行くために旅行バックを買いに行って来ました!!」
「え?え~!?東京に来る?旅行バックまで買ったの???ホントかよ~!?」
面喰った。旅行バックを買ったとなると、関東行きは現実味を一層帯びることになる・・・。しかし、その返信には・・・
「実は今度彼と京都に旅行に行く予定にしてるんです。」
そうだよな。そりゃあ、そうだよな。来る訳ないよな。それまで彼女が関東に来た時の情景をあれやこれや思い浮かべていたが、ふと現実に返った。
そしてもう一つ、現実に返ったことがあった。彼女には彼氏がいたこと。付き合い始めて一年以上が経過しているらしく、近頃は家族のような存在になっているらしい。また、しばしば些細な事で喧嘩もするらしかった。それについての相談も乗ったことがあった。いずれにせよ、お付き合いしてるのは確かだった。
私は彼氏がいることは十分承知していた。それを承知した上でメールも電話もしていた。しかし、私は最近それを忘れかけていた。まあ、現実、私と彼女はメールや電話をするだけの仲であり、特にお付き合いをしているわけでももないので、あまりそのあたりは気にしていなかったというのが本音だった。
ただあの夢を見て以来、彼女に対する気持ちが普通のもではなくなりつつあっただけに、現実に戻って何か調子に乗っていた自分が馬鹿馬鹿しく思えた。
週末、彼女たちは京都に行った。当然泊りがけで。私は二人の邪魔をする気はなかったので、その日はメールを自分から送ることはしなかった。当然、彼女からも連絡などないであろうと思っていた。
私はその日は一日どこか虫の居所が悪かった。朝から何もする気が起こらなかったし、飯を食べる気も起こらなかった。この気持ち、なんなんだ?まさか、ヤキモチか??今まで調子に乗っていた自分を恥じた。頭の奥底から次々と沸いて出てくる自分勝手で独りよがりの嫌な気持ちを抑えるのが精一杯だった。
しかし、いつもはメールをやりとりする夜になってから、より一層、その憂鬱な気持ちが自分を支配するようになった。今頃二人は何をしているんだろう、もうホテルに入っているだろうか・・・同じ部屋で、同じ布団で、同じベッドで夜を過ごすのだろうなあ・・・。だんだん情けなくなり、嫌な思いを払拭するためにビールをがぶ飲みした。当然、そんなに酒に強くない私は頭が痛くなり、早々に就寝することになった。寝てるほうがマシだ、と。それまでも彼女からの連絡はなかった。
深い眠りの中、「さくら」のメロディが夢の中で聞こえたような気がした。いや、夢ではない、現実に流れていたのだ。重い頭を起こし、眠い目をこすりながら携帯を手にとった。誰もが寝静まる、深夜だった。
そこには私のその日の過ごし方や、体調を気遣う彼女の気持ちが綴られていた。 もうそれで十分だった。その日一日の私の憂鬱は、遅い時間にもかかわらず私を気遣って彼の目の届かぬところで送ってくれた優しいメールで吹き飛ばされた。何も連絡がないより、ずっといい・・・ この単純な、単細胞の私には、それだけで満足だった。
意味もない、自分よがりな嫉妬だったが、これでまた、彼女への想いが大きくなっていった
その日もまた、彼女から一通のメールが届いた。
「東京に行くために旅行バックを買いに行って来ました!!」
「え?え~!?東京に来る?旅行バックまで買ったの???ホントかよ~!?」
面喰った。旅行バックを買ったとなると、関東行きは現実味を一層帯びることになる・・・。しかし、その返信には・・・
「実は今度彼と京都に旅行に行く予定にしてるんです。」
そうだよな。そりゃあ、そうだよな。来る訳ないよな。それまで彼女が関東に来た時の情景をあれやこれや思い浮かべていたが、ふと現実に返った。
そしてもう一つ、現実に返ったことがあった。彼女には彼氏がいたこと。付き合い始めて一年以上が経過しているらしく、近頃は家族のような存在になっているらしい。また、しばしば些細な事で喧嘩もするらしかった。それについての相談も乗ったことがあった。いずれにせよ、お付き合いしてるのは確かだった。
私は彼氏がいることは十分承知していた。それを承知した上でメールも電話もしていた。しかし、私は最近それを忘れかけていた。まあ、現実、私と彼女はメールや電話をするだけの仲であり、特にお付き合いをしているわけでももないので、あまりそのあたりは気にしていなかったというのが本音だった。
ただあの夢を見て以来、彼女に対する気持ちが普通のもではなくなりつつあっただけに、現実に戻って何か調子に乗っていた自分が馬鹿馬鹿しく思えた。
週末、彼女たちは京都に行った。当然泊りがけで。私は二人の邪魔をする気はなかったので、その日はメールを自分から送ることはしなかった。当然、彼女からも連絡などないであろうと思っていた。
私はその日は一日どこか虫の居所が悪かった。朝から何もする気が起こらなかったし、飯を食べる気も起こらなかった。この気持ち、なんなんだ?まさか、ヤキモチか??今まで調子に乗っていた自分を恥じた。頭の奥底から次々と沸いて出てくる自分勝手で独りよがりの嫌な気持ちを抑えるのが精一杯だった。
しかし、いつもはメールをやりとりする夜になってから、より一層、その憂鬱な気持ちが自分を支配するようになった。今頃二人は何をしているんだろう、もうホテルに入っているだろうか・・・同じ部屋で、同じ布団で、同じベッドで夜を過ごすのだろうなあ・・・。だんだん情けなくなり、嫌な思いを払拭するためにビールをがぶ飲みした。当然、そんなに酒に強くない私は頭が痛くなり、早々に就寝することになった。寝てるほうがマシだ、と。それまでも彼女からの連絡はなかった。
深い眠りの中、「さくら」のメロディが夢の中で聞こえたような気がした。いや、夢ではない、現実に流れていたのだ。重い頭を起こし、眠い目をこすりながら携帯を手にとった。誰もが寝静まる、深夜だった。
そこには私のその日の過ごし方や、体調を気遣う彼女の気持ちが綴られていた。 もうそれで十分だった。その日一日の私の憂鬱は、遅い時間にもかかわらず私を気遣って彼の目の届かぬところで送ってくれた優しいメールで吹き飛ばされた。何も連絡がないより、ずっといい・・・ この単純な、単細胞の私には、それだけで満足だった。
意味もない、自分よがりな嫉妬だったが、これでまた、彼女への想いが大きくなっていった