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イーグルオートのGiornaliero

フィアット 500 1.2。お客様から、「エンジンはかかるのだが、エンジンチェックランプが点灯する。またギアは ”1” になるのだが、アクセルを踏んでも車が走らない。今は違う車で出かけてしまったが、駐車場に置いてあるので診て欲しい。」と電話があり引取りへ。ただ現地に着き症状を確認してみるが、正常になっていた。そのまま工場に入庫。

 

テスタで確認してみると、エンジンには P0335 クランクセンサ。セレスピード(デュアロジック)には P1819 エンジントルクのフォルトが入っていた。

 

 

症状が出ていないので、このフォルトを参考にクランクセンサのコネクタを切離す。少し長めのクランキングでエンジンはかかり、チェックエンジンランプが点灯。このエンジンは昔ながらの FIREエンジンがベースとなっているが、タイミングバリエータが搭載されているので、カムセンサを使っている。なのでクランクセンサがなくてもエンジンはかかる。ただしセレスピード側にエンジン回転数が反映されないので走行ができないようだ。ためしにギアを ”1” にしてアクセルを少し踏んでみると、エンジン回転は上がるのだが、データ上のエンジン回転数が 0 rpm のため、クラッチを踏んだままで、つなごうとしない。

 

お客様に電話で確認をとると、やはりいつもよりクランキングの時間が長かったとのこと。また症状の内容も一致した。クランクセンサ系統が原因で間違いない。配線図で確認すると、クランクセンサからエンジンECUまで中継コネクタは使用しておらず、センサ、ECUのコネクタも問題がなかったため、クランクセンサを交換。

 

クランクセンサ学習値をリセット、再学習して、修理完了です。

アルファロメオ 159 2.2 セレスピード、前回からのつづき。

 

ギアが入らないのは、クラッチが切れていないことが原因なのでトランスミッションを取外した。

クラッチカバーを点検する。ダイアフラムスプリングの破損や磨耗も、みたところ異常はない。

 

クラッチディスクは磨耗しているが、これが原因ではないだろう。

 

トランスミッションのベルハウジング内に、少しだがフルード漏れの跡があった。レリーズベアリングからの漏れのようだが、それにしては、量が少ないような...。レリーズベアリングを取外し圧縮エアで圧をかけてみると、シール部分からシューシューと音が聞こえる。やはりレリーズベアリングの不具合のようだ。

 

ここでふと気づいたのだが、レリーズベアリングの油圧配管を切離したのにクラッチフルードのタンクはまだフルードが入ったままだ。というか、切離した配管からフルードが出てこない。フルードタンクにSSTを使って圧縮エアで圧をかけると、フルードが少し出てくるが、圧を抜くと止まってしまう。レリーズシリンダも、何かおかしい。また、セレスピードタンク周辺のオイル汚れも気になる。

今までの経過を報告しがてら、なにか情報が入らないかとオーナーさんに電話をかけてみた。

 

イーグルオート 「・・・というわけで、ギアが入らないのはセレスピードの故障ではなく、クラッチが原因です。」

 

オーナーさん  「そうですか...。セレスピードのオイルは少し前に自分で変えたよ。」

 

イ 「えっ...。」

 

オ 「シリンジでオイルを抜きとってから入れたのだけど、狭いのでこぼれちゃって...。」

 

イ 「大きいタンク(セレスピード用)と小さいタンク(クラッチ用)のどちらを変えました?」

 

オ 「大きいほう。」

 

イ 「オイルは何を使いました?」

 

オ 「CS Speed (セレスピード用純正オイル)。」

 

イ 「シリンジで大きいタンクのオイルを抜きとって交換したんですね。」

 

オ 「そう。」

 

イ 「トランスミッションがオイルまみれなのは、その時にオイルをこぼしたからなんですね。」

 

オ 「狭いし、暗い時にやったんで...。」

 

イ 「それで大きいほうだけ変えて、小さいほうは変えなかったんですね。」

 

オ 「いや、小さいほうも変えた。」

 

イ 「使ったのは同じオイル?」

 

オ 「同じオイル。」

 

これで解った。クラッチ系統はブレーキフルードを使用しているので、シールもグリコール系作動油用のものが使われている。ここに鉱物油系のオイルを入れたので、シールがダメになってしまった。レリーズシリンダを分解してみると、カップシールが膨潤してブヨブヨになっている。これではシールの役目をはたさない。また、シールが膨らんだ分シリンダ内の経路をふさいでしまい、タンク内のフルードが出てこなかったようだ。

 

最初にクラッチフルードレベルを点検した時の違和感も解った。違和感はタンク内ではなくキャップのほうで、キャップのインナシールがやはり同じように膨潤していた。インナシールを取外すとキャップより大きくなっており、元には戻せなくなった。

 

このオーナーさんは、自分で車に手をいれるのが好きなようで、エンジンルームやフューズボックスに何かわからない箱を取り付けたり、手製のアーシングケーブルを付けたりしていた。自分の車を触るのは悪いことではないが、構造も理解しないで行うと、このような事になる。クラッチは消耗部品なのでいいとして、レリーズシリンダやレリーズベアリングまでの配管等、油圧系の部品まで交換が必要となった。

 

全てを組付け後、テスタでセレスピードのキャリブレーション、キスポイント学習をして修理完了です。

 

アルファロメオ 159 2.2 セレスピード。エンジンはかかるが、ギアが入らず走行できない、との事でレッカーで搬送による入庫。

 

テスタで診断してみると、クラッチ系統のフォルトが入っていた。

 

クラッチディスクスピードを見るとエンジンと同回転を表示している。また、エンジンをかけずにシフト操作をするとギアが入る事から、クラッチが切れていないようである。またクラッチポジションを点検すると、シフト操作した時に、数値は変化しているのでシリンダは動いているようだ。

 

この車のクラッチレリーズシリンダは、セレスピードオイルによりピストンが押されるのだが、そのピストンはM/T車と同じくブレーキフルードを介してレリーズベアリングに作用する。言ってみればレリーズシリンダはM/T車のマスタシリンダで、クラッチペダルをセレスピードオイルで踏んでいるようなものだ。クラッチポジション検出用のポテンションセンサはセレスピード側のピストン位置を見ている。つまり、クラッチペダルの位置を見ているのと同じなので、本当にクラッチが切れているかはわからない。

フルードレベルを点検。セレスピードオイルは入っているが、タンクの回りは全体的にオイルで汚れている。タンクから噴きこぼれたのか?

 

クラッチフルードを点検すると、かなり汚い色をしていたが、レベルは大丈夫であった。

実はこの時、なにか違和感を感じたのだが、それが何かわからなかった。

 

あと原因となりそうなのは、レリーズベアリング(この車はCSC [concentric slave cylinder]タイプ)からのフルード漏れか、クラッチカバーの不具合(この車はSAC [self adjusting clutch]タイプでクラッチディスクが減ってもダイアフラムスプリングの位置を自動で調整する)か?いずれにしても内部のことなので、トランスミッションを取外すことにした。

 

長くなるので、後半へ。