クライスラー イプシロン ギアが入らない | イーグルオートのブログ

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クライスラー イプシロン。初めてのお客様で、信号待ちをしていたらギアが”N”ニュートラルになり、その後シフト操作ができなくなったとの事で、レッカーにて搬入。

 

真っ先にセレスピード(デュアロジック)の油圧ポンプを点検すると、作動している。リフトで車を上げて、セレスピードオイルを点検すると、漏れた形跡もなくオイルも入っていた。テスタで診断してみると、いくつかフォルトは入っているが、P1810-79 クラッチシステムのみが現在故障。ためしにエラーを消去してみるが、やはりP1810-79は再び入る。クラッチが切れないためにギアが入らないようである。

 

クラッチレリーズをアクティブテストで作動させると、作動音は聞こえた。ただレリーズシリンダやレバーの状態は、よく見えないのでエアクリーナケース等を外して点検する。

 

すると、おどろきの光景が...。

 

小さなボルトが、レリーズレバーとミッションケースの隙間に挟まっている。これではクラッチは切れないだろう。ボルトを取り除くと、きちんとクラッチは切れ、ギアも入るようになった。長さにして25㎜ほどの6㎜のボルトである。この上にある部品(サーモスタットやバキュームポンプ等)を点検したが、ボルトが外れているような形跡は見られなかった。

 

実は、アンダーカバーやエアクリーナケース等を外している時に、本来とはちがうボルトが取り付けてあるな、と思った所があった。お客様に聞いてみると、1ヶ月ほど前に車検整備をしたそうである。この原因となったボルトがどこから来たのかは解らないが、整備中に落としたボルトが、どこかに引っかかり、走行の振動で落ちてきたというのが濃厚だが、初めて入庫した車のため、真実はわからない。やりにくい場所の作業は、ボルトやナットを落としてしまうということは、気をつけていても起こる事だが、見つからないからといって、そのままにするとこういった事が起こりえる。今回は修理とはいえないが、いい教訓になったトラブルであった。