静岡地裁は、袴田事件の再審公判で、袴田巖さん(88)に対して無罪を言い渡しました。
今回の件で明らかになったのは再審における証拠開示に関してです。
再審では審理方法を定めた規定がないことから、証拠開示に向けた訴訟指揮を行うか否かは裁判官の裁量に委ねられているとのこと。
基本的に検察官は、証拠調請求した証拠以外の証拠であってもその証明力を判断するために重要な証拠、たとえば証人の供述調書や証拠物、検証調書など(これらを類型証拠といいます)を弁護人から請求があれば原則として開示しなければならないとなっています。しかし、それが再審ではあいまいとなっているのが大きな問題だと考えています。
また、我が国の検察は起訴便宜主義を取っています。これは検察官が被疑者の性格や年齢、境遇、犯罪の軽重や情状を考慮し、訴追するか否かを判断するというもので、ドイツやフランスでは起訴法定主義を取り、基本的に証拠がある場合には検察官は公訴をすることが義務付けられています。
例えばサッカーの佐野海舟選手の不同意性交容疑の件では証拠もあり、同人も罪を認めたと報道がありました。しかし、結果として不起訴となったのです。
同人はドイツのサッカーチームに移籍していて、これがドイツであれば起訴されて有罪となったと言うことになります。
その場合には実刑となり、懲役刑を受けた可能性が高く、チームからも解雇となったでしょう。
個人的には我が国も起訴法定主義を取るべきと思っています。
これに関してはいろいろと意見があると思いますが、一番変えなくてはいけないのは検察が不起訴理由を明言しない点です。
検察が不起訴とした際に理由を述べないことが多いのは、下記の様にいくつかの理由があると言われています。
1. プライバシーの保護: 被疑者や関係者のプライバシーを守るために、詳細な理由を公表しないことがあります。
2. 捜査の進行状況: 不起訴の決定がなされた場合でも、今後の捜査が続く可能性があるため、捜査情報を公開しない方針が取られることがあります。
3. 法的な手続き: 不起訴は法的な判断であり、その理由を説明する義務がないため、言及しないことが一般的です。
4. 社会的影響: 不起訴の理由を公表することで、社会に誤解や混乱を招く恐れがあるため、控えることがあります。
これらの理由から、不起訴の際に理由を説明しないことが多いとのことです。
しかし、1に関してはプライバシーを尊重した状態で理由を述べることはできます。
2に関しても状況を考慮して述べることができるはずです。
3は義務付けるべきです。
4も状況を見た上で配慮しながら言及することはできます。
不起訴理由を明確にするメリットの方がデメリットよりも大きいと考えます。