今週の問題

将棋で「二枚落」といえば、上手が何と何の駒を落として戦うのでしょう。


選択肢
・桂馬と香車
・銀将と桂馬
・飛車と角行

・飛車と金将

・金将と銀将

正解…飛車と角行

解説

将棋におけるハンディキャップの意味合いで、下位の棋士と対等な勝負が出来るよう考え出された将棋の手合割は、棋力の格差に応じて上位者側の駒の一部を盤上から取り除いた状態で開始することを言います(駒落ち)。当然取り除かれた駒は対局が終わるまで使うことはありません。

 

上手(うわて)…駒を落とした側の対局者で、必ず先攻となる

下手(したて)…駒を落とされた側を下手(したて)

逆に、両者とも通常通り20枚の駒を並べて戦うことを平手戦(ひらてせん)と言います。

手合割の歴史は江戸時代からあって、段位に基づいて手合割が厳格に定められていました(例:六段=名人に角落ちでいい勝負になる)。よって実力の異なるものが平手で対局することはなかったため、当時駒落ちが非常に重要視されて、駒落ちの定跡も盛んに研究されていきました。
戦後になってプロ棋士は公式戦で段位によらず平手で指すことが決まって、プロ棋士の駒落ちは指導対局のためのものという位置付けに変わりました(二段以下の奨励会では香落ちで行われています)。
アマチュアでも駒落ちで対局することを日本将棋連盟が推奨していて、将棋道場の殆どが採用しています。ただITの発達でオンライン対局が主流になった現代では、いつでも棋力の近い相手とのマッチングが出来る以上は平手で指せるため、わざわざ駒落ちさせてまで対局する必要性はないようです。



※日本将棋連盟推奨がアマ向けの目安としての手合割


通常…ハンデなし・平手で振り駒にて先手を決める
連盟推奨レベルでいう1段級差…平手で下位者が先手

 

ここからは家元改良版での手合割(全て上手において適用で、1934年日本将棋連盟の手合割改正後)
1段級差…香落ち(左香車抜き)
2段級差…両香落ち(両香車抜き)
3段級差…角落ち(角行抜き)
4段級差…飛落ち(飛車抜き)
5段級差…飛香落ち(飛車・左香車抜き)
6段級差…飛両香落ち(飛車・両香車抜き)
7段級差…二枚落ち(角行・飛車抜き)

8段級差…三枚落ち(角行・飛車・左香車抜き)
9段級差…四枚落ち(角行・飛車・両香車抜き)
10段級差…五枚落ち(角行・飛車・両香車・左桂馬抜き)
11段級差…六枚落ち(角行・飛車・両香車・両桂馬抜き)
12段級差…七枚落ち(角行・飛車・両香車・両桂馬・左銀将抜き)
13段級差…八枚落ち(角行・飛車・両香車・両桂馬・両銀将抜き)
14段級差…九枚落ち(角行・飛車・両香車・両桂馬・両銀将・左金将抜き)
15段級差…十枚落ち(角行・飛車・両香車・両桂馬・両銀将・両金将抜きなので、王将と歩兵のみ)

 

※将棋の階級一覧

棋士…6級~九段
女流…2級~七段
アマ…10級~七段
●棋士の6級はアマの三~五段、女流棋士の2級はアマの二~四段に相当

これらに当てはめると、アマ10級の下手が二枚落ちの上手相手に挑む場合、アマ3級以上が推奨となります。

もっと凄いのは玉将以外全部の駒を落とす裸玉(十九枚落ち)というのもありますが、段位差で考えるとアマ10級の下手が裸玉の上手相手に挑む場合、棋士1級~二段以上推奨となります。

 

特殊な手合割として王将・飛車・角行のみのトンボと言われるものや、十九枚落ち+持ち駒に歩兵3枚)で開始する対局をする場合もあります。