今週の数値入力問題
底面積と高さが等しい円柱と円錐を比べたとき、円柱の体積は円錐の体積の何倍になるでしょう。
正解…3倍
解説
中学1年で習う内容の問題になりますが、まずは立方体を用意します。
一辺の長さをaとすると体積は、
a×a×a=a3・・・①
です。
次に、立方体の重心となる所(ど真ん中)に点を打ちます。
次に、重心の点から各頂点(上下・左右・手前奥)に向かって線を引きます。
こうやって見てみると、全く同じ形の四角錐6つが立方体に対して綺麗に収まっていることが分かります。したがって四角錐1つの体積は、
a3×1/6・・・②
です。
次に公式化します。
四角錐の底面の1辺がaの正方形なので、底面積は、
a×a=a2・・・③
高さが立方体の半分になっていますから、
a×1/2・・・④
底面積と高さを使って公式をつくるためには、
③×④×?=②
の関係でなくてはなりませんから、それぞれ代入すると、
a2×a×1/2×?=a3×1/6
a3×1/2×?=a3×1/6
1/2×?=1/6
この方程式を解くと、
?=1/3
が出てきます。これが錐の体積を求める公式に登場する1/3の正体であって、逆の言い方をすると、立方体の体積は角錐の体積の3倍であるということになるのです。なお、円錐でも同様です。
底面積が半径rだったとします。
このふたつの底面積の比は、
πr2:r2=π:1
ですが、高さが全く同じところでそれぞれの錐を赤線で切ってみると、切った断面の底面積の比は常にπ:1で、体積の比率も全く同じということになります。
求めたい円錐の体積は、体積を求めた四角錐と高さが同じr/2であることに注目すると、
r3×1/6×π/1=πr2×r×1/2×1/3=πr3×1/6
これが②に相当することになります。
後は立方体と角錐を、円柱と円錐に当てはめれば良いだけなので、結局は3倍だということになるのです。
専らピタゴラスが専用の容器を作って、水が何杯入るかという実験をしたというエピソードがあります。