「血が噴き出て苦しむのが性愛のあるべき姿なんですよ」. | 【未来予測・世界情勢・政治・経済・金融・有事・戦争・災害・スポーツ・芸能・サイエンス等の時事情報ブログ】 http://ameblo.jp/e269/

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「血が噴き出て苦しむのが性愛のあるべき姿なんですよ」

●「江戸のエロスは血の香り」氏家幹人著(朝日新聞出版 1500円)

 江戸時代は儒教道徳に縛られて男女関係には厳しかったと思いがちだが、実態はかなり奔放だった。本書には男同士の愛に溺れる武士や、吉原で女遊びをする熟女など、アブナイ話が満載である。

「戦国時代の武士は義兄弟の契りを結んで戦場で助け合っていたのですが、江戸初期はまだその気風が残っていて、男色が盛んでした。藩主が自分を裏切って他の男に走った寵臣を切腹させるなど、性愛のもつれによる事件が少なくありません。そういうことが藩の史料や取り調べの調書に記録されていますが、淡々と事細かく事実を書いているのでかえって生々しいですね。普通は性愛というと春画などを参考にしますが、そんなのは見飽きてるだろうから、もうちょっと意外なところからそういう話を発掘しようと」

 男だけでなく、女も大胆だった。商家では主が見込んだ使用人を娘の婿に迎えて跡を継がせることが多かったが、家付き娘もおとなしく親のあてがった夫で満足していたわけではない。陰間宿などで好きな男とあいびきしていた。

「当時の娘の華の時期は13歳からせいぜい三十数歳まで。栄養不良や病気でいつ死ぬか分からない。だから、その短い時間に命を燃やしたんですね。それが恋だった。建前では不義密通は死刑だったのですが、実際に死刑になることはほとんどないし、『女大学』なんて読まない。若い人だけでなく、女隠居も茶飲み男などというボーイフレンドをつくって、老後を楽しんでいました」

 現代の草食系の若者とは違ってたくましい。

「渡辺淳一さんが『失楽園』で、有島武郎が心中して死体が見つかったときの状況を引用していましたが、ウジがわいたり、腐乱していたり悲惨な状況でした。性愛というのは汚くて無残で、そういうものなんですよ。それを忘れちゃうからセックスレスになったり、婚活をしないと相手が見つけられないということになる。人と人とがぶつかり合うエネルギーが枯渇してるんじゃないの。どろどろでめちゃくちゃで、欲情に捕まえられて血が噴き出て苦しむ、そういうのが性愛のあるべき姿なんですよ。それを忘れちゃいけないというのが、この本のメッセージですね」