[NY市場]世界的な景気悪化観測強まる
2日のNY市場では、トリシェECB総裁がインフレリスクは消えていないものの、上振れリスクは緩和したと語ったことで、ユーロ売り・ドル買いの流れとなり、対主要通貨でドル高圧力が強まった。
米金融安定化法案が上院を通過したこともドルをサポートした。米景気の悪化観測が強まる中、米株式市場が軟調に推移したことで、リスク回避の円買いも入った。
米金融安定化法案は上院を通過し、金曜日には下院で採決が行われそうだが、この日発表された米新規失業保険申請件数は7年ぶりの高水準だったほか、米製造業新規受注は06年10月以来の大きな落ち込みとなり、米景気の先行き懸念が拡大した。
ホワイトハウスは「金曜日に行われる米金融安定化法案の採決は極めて楽観的」と発表したものの、本法案が景気減速を緩和するとは期待されておらず、マーケットの雰囲気は沈み込んだままだった。このほか、「法案成立後、財務省は不良債権の買取を直ちに始めるが、少なくとも数週間はかかるだろう」との見通しも発表された。
◆リスク回避の円買い圧力強い、ユーロ円は06年6月以来の145円割れ
ドル円は105.74レベルから105.10レベルまで下落。ユーロ円は146.60レベルから144.86レベルまで軟調に推移し、06年6月以来の安値をつけた。
カナダ円は97円台中盤まで軟化。米新規失業保険申請件数のさらなる悪化を受けて米株式市場が軟調に推移したことから、円高圧力が終始強かった。米金融安定化法案が週末にも成立する見通しであり、対主要通貨でドル高の流れはあるものの、円買い圧力が弱まらない中、ドル円の上値は重かった。日米の金利差が縮小傾向にあることも、ドル円を押し下げた。
◆トリシェECB総裁はインフレ見通しを緩和、利下げを検討したとも発言
ユーロドルはトリシェECB総裁が「インフレの上振れリスクが低下」、「利下げを検討した」と発言したことで、1.3746レベルまで下落した。その後、アジア系中銀のユーロ買い・ドル売り観測の中、1.3871レベルまで水準を切り上げたが、反発は続かなかった。
ECB理事会後、トリシェECB総裁は、欧州の経済見通しはこれまでどおり弱いとしたものの、金融市場の混乱と深刻化が経済活動へ与える影響について、異例に高い不透明感を認識しているとした。インフレの上振れリスクが低下したとも示唆している。ただ、インフレリスクが消えたとは判断されていない。
金融市場の混迷が深刻化していることで、ECBはハト寄りの色彩を帯びてきた。ただ、混乱が実体経済に与える影響を評価しにくいとしており、利下げ時期に関しては、市場の見方が分かれている。
ポンドドルはユーロドルの下落につれて、1.7550レベルまでポンド安・ドル高推移した後、1.7684レベルまで戻し、NY序盤の下げを一時埋めた。ただ、ポンド円の上値が重く、ポンドドルの戻りも限定された。