NY株、過去最大777ドル安…下院の「金融法案」否決で | 【未来予測・世界情勢・政治・経済・金融・有事・戦争・災害・スポーツ・芸能・サイエンス等の時事情報ブログ】 http://ameblo.jp/e269/

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NY株、過去最大777ドル安…下院の「金融法案」否決で



 米下院は29日、本会議を開き、米政府が金融機関からの不良資産を買い取ることを柱とした緊急経済安定化法案を賛成205、反対228で否決した。

 金融危機拡大を食い止める狙いの法案が否決されたことで米ニューヨーク株式市場にはろうばい売りが殺到、ダウ平均株価(30種)の終値は前週末比777・68ドル安の1万365・45ドルと過去最大の下げ幅を記録した。東京などアジアの株式市場も株価は急落し、世界の金融市場は大きく動揺している。

 同法案を巡っては、米政府と議会幹部が合意し、上下両院の可決がほぼ確実視されていた。しかし、税金による金融機関の救済への国民の反発は強く、11月の選挙を控え、世論に敏感になっている議員の「造反」が相次いだ。ブッシュ大統領は記者団に「議会の否決には失望した」と述べ、ポールソン財務長官や米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長らと対応を協議した。

 政府との合意を主導した民主党のペロシ下院議長は記者会見で「危機は深刻だ。今後も超党派で行動していく」と述べ、調整を続ける方針を示した。米下院は10月2日に審議を再開する予定。一部修正などして再可決を目指すとみられるが、めどはたっていない。

 法案の柱は、最大7000億ドル(約74兆円)の公的資金を投入し金融機関から不良資産を買い取るもの。米政府と議会は28日、7000億ドルの枠のうち半分に議会の拒否権を与えるほか、経営者の報酬に制限を加えるなどの修正案をまとめて合意していた。

 ◆同時テロ直後の684ドル上回る◆

 29日のニューヨーク株式市場は、金融危機に歯止めがかからないという不安感が強まり、ダウ平均株価は約2年11か月ぶりの安値で取引を終えた。下落幅は米同時テロ直後に取引を再開した2001年9月17日の684・81ドル安を上回り過去最大となった。下落率は6・98%。「ブラックマンデー」と呼ばれる1987年10月19日の下落率は22・61%だった。

 29日午後に緊急経済安定化法案が米下院で否決され、「週内にも成立する」とみていた市場の大方の予想が覆された。採決結果が判明すると失望が一気に広がり、パニック的な売りにつながった。市場では「米国で公的資金投入を約束する法案成立の道筋が見えない限り不安感が強い」と、先行きを懸念する声が出ている。

 ダウ平均は、約1年前の07年10月9日に過去最高の1万4164・53ドルをつけた。その後は、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題を背景に下落傾向が続き、08年年初から9月29日までに2割以上、下落した。米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)した9月15日には504ドル安を記録するなど不安定な値動きが続いていた。

 29日の原油先物市場では指標となるテキサス産軽質油(WTI)の11月渡し価格が前週末比10・52ドル安の1バレル=96・37ドルと2週間ぶりの安値で取引を終えた。債券市場では米国債が買われ、長期金利の指標となる10年物米国債の利回りは同0・28%低い(債券価格は上昇)年3・58%で取引を終えた。