「誰もいない夜の海で」2015/07/20
誰もいない夜の海で
裸足になって
濡れてみるだけ
誰もいない夜の海で
誰も見ていない砂浜で
ほら、大丈夫
まだ大丈夫だから
素足になって
感じているだけ
遠くの町から風に乗り
祭りの音が、かすかに聞こえる
それを波音が飲み込む
ざざぁーん、ざざぁーんと波が飲み込む
やだ、あたし、ちっとも寂しくなんかない
誰もいない夜の海なのに
ちっとも寂しくなんかない
心は静かに穏やかに
セイレーン、可愛そうな娘達
ごめんね、あたし、今夜はきっといけないわ
セイレーン、何のために歌うの?
ごめんね、あたし、その歌はまだ聞こえない
誰もいない夜の海で
海の向こうに何かがあって
そこには誰かがいるとしても
あたしは引きずりこまれたりはしない
今夜もいかない
ひたひた足を濡らしながら
ただこの海を感じていたい
誰もいない夜の海で
煌月