現在、日本では「生産性」の話で持ちきりです。
しかし、本当に不思議なことに「生産性とは何か?」を原理・原則に立ち返って議論したものを私は知りません。
小手先の部分的な「効率」の上げ方に終始したものがほとんどです。
まず、明確な定義がありません。
しかし、今回はその話は少しおいておきます。
私のブログ:企業の生産性を計るKPIとは?で触れていますのでご興味があればそちらをご覧ください。
今回は、最近行った生産性のセミナーで、大変好評だった例え話を説明します。現在の企業で如何に誤った「生産性」の判断がなされているかを象徴的に示したものです。
さて、本題です。
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鈴木さんの意志決定
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鈴木さんは、今100万円、持っていますが、A、Bどちらの銀行に預けるか?迷っています。
銀行に確認したところ、
A銀行の利息:3万円
B銀行の利息:5万円
でした。そこで、鈴木さんは、利息の有利なB銀行に預けることにしました。
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渡辺さんの意志決定
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渡辺さんは、今100万円、持っていますが、A、Bどちらの銀行に預けるか?迷っています。
銀行に確認したところ、
A銀行の利息:3万円/1年
B銀行の利息:5万円/2年
でした。そこで、鈴木さんは、利回りの有利なA銀行に預けることにしました。
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さて、どちらの判断が正しいか?
言うまでもありませんね!渡辺さんです。
よくよく聞いてみると、銀行の利息はそれぞれ、1年定期、2年定期の金利だったというお話です。
お金を設ける効率、つまり「生産性」は、渡辺さんの考えであるべきなのは明らかでしょう!
しかし、現実はどうでしょうか?
ほとんどの企業で、いや全ての企業で、鈴木さんの判断をしていないでしょうか?
このような、お金を預ける話で説明すると皆さん理解して頂けます。
「お金を預ける」ことも、「企業の活動」も、投資してお金を儲ける事に変わりはないはずです。
しかし、現実の企業の話になると、とたんに鈴木さんになってしまうのです。
なぜでしょうか?
それは、「儲ける」と言うことから時間軸の考えが欠落しているからです。
このように、現在の企業の「生産性」、あるいは「業績評価」の考え方からは、時間軸が欠落しているのです。
この時間軸を含めて、「生産性」を再定義した考え方が、「面積原価管理」の考え方なのです。