バリトンサックスとわたくし

わたくしが初めて吹いたサックスはバリトンサックスでした。遠い昔になりますが高校のブラスバンドでバリトンサックスを吹いていたのです。その時吹いた楽器は学校の備品で、機種はフランスセルマーのスーパーバランスドアクションLOW A付き、という今にして思えばとっても貴重なヴィンテージ楽器でした。でも状態は劣悪を極め、ラッカー残存率は10パーセント、タンポは落ちるキーポストは取れる、底部U字管はベコベコ、ベルは当然修復の後有り、といった凄まじいものでした。でも悲しいかなわたくしの故郷は田舎のため、まわりにリペアマンはおらず、自分でタンポを付け替えたりキーポストのハンダづけなんかをせざるを得ませんでした。
そんな楽器では当然上手くなるわけもなく(上手くないのは現在でもそうなのですが)でもバリトンサックスの素晴らしさは十分にその楽器に教えてもらいました。音色だけでいえば、わたくしが現在使用しているのより良かったかも。最初は「ああ、僕もアルトサックスやテナーサックスが吹きたいな。バリトンサックスは重いし、重いくせにポンコツだし。なんでセクション練習の時他のサックスとじゃなくてファゴット、バスクラリネットと一緒なんだろう。バリトンサックスって実はサックスじゃなくて木管中低音楽器なんだろうか」と思ってました。
でもバリトンサックスにしか出せないふくよかで柔らかい響きやグッと息を入れた時の音圧は他の楽器では出せません。そこがたまらない魅力なんです。その魅力に取り付かれたからこそ今でもバリトンサックスを吹いているのだと思います。形もカッコイイし。東京中低域でバリトンサックスを吹いているベンちゃんが「バリトンサックスって世界で一番かっこいい楽器っすよね、筒井さん!」と熱く語ってくれましたが、まったく同感です。
ただ重たいのが難点ですな。高校生の時は一日7~8時間バリトンサックスを吹き続けても平気だったのですが不惑を越えたおっさんであるわたくしにとってはかなりシンドイ楽器です。んで、告知です。
■2010/4/6_火 @下北沢 440(four forty)
出演: 東京中低域
時間: OPEN18:30/START19:30
料金: 前売 3,000円/当日 3,500円(オーダー別)
◆チケットは e+ でご予約受付中。http://eplus.jp/
◆お問合せ: 440(four forty) Tel:03-3422-9440[16:00~]
◆会場までのアクセス: 「下北沢駅」南口、ファミリーマート隣
→東京都世田谷区代沢5-29-15SYビル1F
バリトンサックスがステージに15本!他の楽器は一切無し!わたくしももちろんバリトンサックスで参加です。皆様ぜひお越し下さいませ。