八咫烏の「咫」 | てにを舎の考具 考える日本語®

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日本語を学びなおしてみると、今まで気づかなかったルールや魅力が見えてきます。
少しだけことばに意識を向け、日本語について考えてみませんか。

サッカー日本代表のシンボルマークとしても知られる八咫烏(やたがらす)。
その中で使われている「」は、ほかではあまり使われることのない漢字です。
八咫烏以外では、やはり古事記に出てくる三種の神器のひとつ、「八咫鏡」があります。


その「咫」ですが、音読みではシ、訓読みではあたと読みます。
「咫」は古代の長さの単位で、親指と中指とを開いた長さ(約18cm)です。
また、わずかな、小さいという意味を持っていますが、「八咫」になると、それが大きいという意味に変化します


その理由が「八」です。古代の日本では「八百万の神」の言葉があるように、「八」が大きい、多いという意味で使われることが多かったのです。


長さの単位で言っても、八咫=18㎝×8=144という通り、とても大きい烏という意味が含まれているのでしょう。


ちなみに、三本の足を持つ八咫烏、この三本の足にも意味があり、熊野本宮大社のホームページには、「三本の足はそれぞれ天・地・人を顕わすと言われています。天とは天神地祇のことで、すなわち神様のことです。地とは大地のことで我々の住む自然環境を指します。つまり太陽の下に神様と自然と人が血を分けた兄弟であると云うことを二千年前に示されていたのです」と記されていました。


この夏の集中豪雨や昨日の御嶽山の噴火、あらためて、「天・地・人」の調和について考えさせられました。