化粧品が売っている 化粧品を売っている | てにを舎の考具 考える日本語®

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日本語を学びなおしてみると、今まで気づかなかったルールや魅力が見えてきます。
少しだけことばに意識を向け、日本語について考えてみませんか。

ある人が、こんな発言をしました。
化粧品が売っている店知りませんか

別な人は、こう言いました。
化粧品を売っている店知りませんか

あなたは、どちらが正しいと思いますか。
どちらも間違いではないような気がします。


しかし、日本語として解説すると、「売る」というのは他動詞で「~を売る」と使うのが一般的です。
人やある集団が何かを売るときにこういった表現をします。

だとすると、化粧品を売っている店知りませんか、が正解となります。


しかし、次のような場合はどうでしょう。
旅先で、化粧品がなくなってしまいました。何でもいいから化粧品がすぐに欲しいと思って探しています。
どこでもいいので、化粧品が売っている店を教えてください


この場合は、化粧品でも違和感を覚えないのではないでしょうか。


ただし、これも文法としては正しくなく、
本当なら、化粧品が売られている というように受身形となります。
しかし、話し手は「化粧品が」という意識が強いために、「化粧品が売っている」と表現するようになるのでしょう。


ある調査によると、「~が売っている」を日常で使う人の割合が増えてきているそうです。


みんなが使っているから、とあまり考えずに使ってしまうと、公の場で変な日本語を使うようになってしまいます。

さて、今日の例文の売っているですが、「が」か「を」か迷ったら次のように置き換えてみましょう。


化粧品を売った。これは○ですね。
化粧品が売った。これでは意味が通じません。

このように変えてみると、正しい使い方がわかることもあります。