「の」に置き換わる「が」 | てにを舎の考具 考える日本語®

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日本語を学びなおしてみると、今まで気づかなかったルールや魅力が見えてきます。
少しだけことばに意識を向け、日本語について考えてみませんか。

ある人から質問が来ました。


A 背高い人
B 背高い人
どちらが正しいのでしょう?


実は、どちらも正解です。


上の例だけでは少しわかりにくいので、例文をつくりました。
①田中さんは背が高い。

これは、「象は鼻が長い」と同じような構造で、
象は、この文のテーマとなるものです。言い換えれば、象についていうと…という意味で使う「は」です。「鼻が」が主格となります。


①の例文は、田中さんについていうと、背が高い ということを表わしています。


しかし、田中さんは背の高い。
とは言えません。
これが「が」と「の」の違いとなってきます。


「の」は、は基本的に名詞と名詞を結びつける働きを持っているからです。


では、なぜA,Bの表現が可能かというと、そのポイントは、「人」です。

A 背の高い+人
B 背が高い+人


どちらも「人」を修飾しています


田中さんは背が高い。
人を主格(主語)として、文をつくると、

背の高いが田中さんです。
背が高いが田中さんです。

2通りの表現が可能です。


どちらの文でも、田中さんですという述語に対し、背が高い人背の高い人主格(主語)にあたります。


その中の「人」を修飾するために、「背が高い」「背の高い」という表現をしています。これは「文をつくる」ときのルールに基づいています。ルールでは、「“の”は、“が”と同様に体言あるいは用言の連体形に接続して、主格、すなわち叙述の主体であることを表わす」とされています。


ただし、③の文には「が」が2つ登場するため、なんとなく不自然さを感じる人もいるのではないでしょうか。