「開ける」と「開く」 | てにを舎の考具 考える日本語®

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日本語を学びなおしてみると、今まで気づかなかったルールや魅力が見えてきます。
少しだけことばに意識を向け、日本語について考えてみませんか。

教科書の25ページを開いてください。
教科書の25ページを開けてください。

これは「開く」「開ける」のどちらも使います。


では、次の例はどうでしょう。
そこの窓を開けてください
×そこの窓を開いてください


その缶詰、開けてくれませんか
×その缶詰、開いてくれませんか


開く」は基本的に、開く―閉じるの動作が一対で行われることが前提となっています。つまり、「開いたら閉じる」の動作が当然起こることが前提の場合です。

教科書を開く。傘を開く。扇子を開く。など。


開ける」は、その前提がなくても使えます。
缶詰を開くと言えないのは、缶詰のふたは開けて、また閉めるが前提ではないからです。缶切りを使った開けたふたは閉めることができません。壁に穴を開けるも同様です。


では、窓の例はどうでしょう。
窓は、開けるですが、玄関の扉は、開ける/開く 両方使えます。
この違いは、横にずらすか、立体的かの違いです。
窓/ふすま/障子などは「開ける」を使うのが一般的です。


横にずらして開閉するものは「開ける」を使うとするならば、扇子はなぜ「開く」なのでしょうか。

ここが第3の視点です。
ある一点を支点として「開閉」する場合は、「開く」が使われます。「開ける」で言いかえることはできません。
傘を開く。花のつぼみが開く。パラシュートを開く。など。


同じような意味を持つ言葉でも、その対象となるものによって使える言葉が決まって来ることがあるので、日本語学習者にとっては、すごく分かりにくくなっています。