少し前までは、日本各地が外国人観光客で賑わっていた。

 今でも、観光客で賑わっているのは変わらない。

 ただ、観光客の質が変わった。

 外国人ではなく、宇宙人になった。

 どういったわけか、宇宙人は日本がお気に入りのようで、ある日突然大挙して押しかけてきた。

 いろんな惑星から来たのか、様々な姿の宇宙人がいる。

 世界の観光地に宇宙人が来たというニュースはないので、日本だけだろう。

 どうしてか訊きたいところだが、言葉はまったく通じない。

 なぜか、日本のお金を持っていて、人間が食べるものを食べている。

 食べ物を買うときは、ゼスチャーで値段を確認している。

 指が3本しかない宇宙人もいるから、その時は他の宇宙人の指も使っている。

 大阪ミナミを歩いていると、ここは日本かと思うくらい外国人ばかりだったが、今は地球かと思うくらい宇宙人ばかりだ。

 こんな光景を毎日見ていたら、ばからしくてSF映画は観れなくなった。

 しかし、なぜ、宇宙人が日本に?

 宇宙で日本ブームが起こっているのだろうか。

 まったく不思議だ。

 それにしても、商売人は逞しい。

 外国人と変わらず、宇宙人相手にも平気で商売をしているのだから。