私の会社の最寄り駅は、大阪の地下鉄中央線の堺筋本町という駅だ。

 その駅の三番出口から地上に上がる階段の手前に、大きな駅周辺の近図がある。

 この地図が、実に不思議だ。

 普通、地図というものは、北を上にしているものだが、この駅周辺の近図は南が上になっている。

 それというのも、階段が南方面にあるためだが、しかしなぜだろう。

 地図を見て、悩んでいる人も度々見かける。

 地図の上が北だという常識を持っていたら、そりゃ悩むに違いない。

 悩まなくて、間違って反対方向に出た人も多くいるのではないか思う。

 親切なのかどうなのか。

 不思議だが、駅員さんに尋ねたことはない。

 そこまでして知りたいとは思わないので、尋ねるのが面倒くさいのだ。

 また、尋ねても知らないだろうという思いもある。

 他の駅にある駅周辺の地図は、あまりじっくりと見たことがないので、どれだけ多くの駅が、降りる方向を上にしているのかはわからない。

 というより、駅周辺の地図がある駅をあまり知らない。

 たぶん、気付いていないだけだろう。

 それにしても、これまで文句を言った人はいないのだろうか。

 いつまで経ってもそのままということは、そんなに文句は出ていないのだろう。

 ま、今はスマホが主流なので、そんな地図を見る人は少ないかもしれない。