今、地球は滅びようとしている。

 原因は、いわずもがな、人間である。

 幾つかの国が、利権や主義の違いから戦争を始めた。

 そして、それぞれの国に応援する国が付いた。

 それから、世界を巻き込む戦争に発展した。

 どこかのいかれた独裁者が核を使った。

 そんなことをすれば、人類が終焉を迎えることを知っておきながら、怒りに任せて使ってしまったのだ。

 案の定、核の応酬が始まった。

 そうなる前に、多くの動植物は、宇宙人の手によって他の星に移された。

 人類の遥か上を行く科学力を持つ宇宙人は、人間に気付かれぬよう、戦争が始まると同時に、大型の宇宙船で移送を始めた。

 もちろん、その中に人間は入っていない。

 宇宙人は、人類が核で滅んだあと、放射能を除去して移した動植物を地球に戻し、人間のいない平和な地球にしようとしていた。

 そして、もう二度と人間のような生き物が現れないよう、厳しく美晴ことにした。

 そんなことも知らず、人間は同族を殺すことに集中している。

 運よく、わずかに生き残った者も、宇宙人に始末される運命にあることを、誰も知らない。

 まったく、困った生き物である。