夜空に、目が眩むばかりの閃光が走った。
いったいなにが起こったのか。
しばらくはわからなかった。
家の中から、歩いている途中で足を止めて、人々はその閃光を目にした。
それから少しして、凄まじい轟音が轟いた。
ますます、なにが起こったのかわからない。
家にいる人はテレビを点け、テレビが点いている家はチャンネルを変え、外にいる人はスマホで、なにが起こったのか確認しようとした。
轟音から暫く経って、真相がわかった。
月が砕け散ったのだ。
原因はわからない。
推測では、どこかの大国が打ち上げた、核を搭載した人工衛星が故障して制御を失い、月に衝突したのではないかと、多くの学者が語っていた。
そして、間もなく砕けた月の欠片が地球上に降り注ぐだろうから注意するようにとの呼びかけがあった。
そんなことを言われても、どう注意してよいのかわからない。
欠片といっても、とても大きい。
そんなものがまともにぶつかったら、ビルの中にいても安全ではない。
外にいた人々は、慌てて近くの建物に避難した。
人々は恐怖に震えながら、家や建物の中でじっとしていた。