季節外れの雪が降ってきた。

 快晴だった空が急に曇ったと思ったら、いきなりの雪だ。

 5月の始めに東京に雪が降るなんて、初めてのことではないだろうか。

 気温は高い。

 初夏並みに暑いのに、雪が降るのは異常だ。

 まったく、日本は、いや、地球はどうなってやがる。

 暑いので、誰かが人工雪を降らせているのではない。

 その証拠に、都内全域で降っているし、触ってみると冷たい。

 暑いので、地面に着いたらすぐに溶ける。

 しかし、後から後から降ってくるので、やがて溶けずに積もるようになった。

 子供たちは大はしゃぎだが、大人は喜んでおれない。

 なにか悪いことが起こる前兆なのだろうか。

 そう考えてしまう。

 やがて、吹雪になった。

 外を歩いていられないほどの豪雪が空から降り注いでくる。

 真冬でも、こんなに降ることはない。

 ここはいったいどこだ? そう思わせるほどの降り方だった。

 一時間ほど降ったあとで、雪はやんだ。

 そして、今まで雪が降っていたなんって信じられないくらい快晴に戻った。

 まったく、どうなってやがる。