大阪梅田の地下街はダンジョンと言われるほど広範囲に渡っており、迷路のよううに入り組んでおり、知らない者が足を踏み入れようものなら、無事ては出られないという都市伝説さえある。

 これは、そんな地下街に足を踏み入れたある男の物語である。

 男は、旅行で大阪にやってきた。

 そして、地下街へと足を踏み入れた。

 男がびっくりしたのは、飲食店が多いことだ。

 どこを歩いても飲食店で埋め尽くされているようだ。

 いったい、どれだけの店があるのだろう?

 中でも、第1ビルから第4ビルの地下は飲食店とマッサージ屋で構成されているようなもので、店舗のほとんどを占めている。

 男が歩くたび、飲食店に興味をそそられ、美味しそうだと思ったら店へ入った。

 やっとのことで魔の代1ビルから第4ビル界隈を抜けたと思ったら、阪神のスナックパークで行列を見た。

 あれが、有名ないか焼きか。

 男も並んで買って食べた。

 そこからホワイティの方へと足を向ける。

 そこにも、飲食店が並んでいた。

 男が地下街を抜ける頃には、腹はパンパンで財布はすっからかんだった。

 やはり、知らない者が足を踏み入れると無事では済まなかった。